高橋洋一の霞が関ウォッチ
記者は「意見開陳」より「質問」をすべき 官房長官会見に見る「マスコミのあるある」

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同業記者にとっても「時間の浪費」

   この観点から、望月記者への対処は楽だろう。実際、官房長官の記者会見をみると、望月記者が意見を述べ出すと、官房長官は資料に目を通すことをやめて余裕の対応になる。

   記者会見の進行係の人が、意見を述べないで簡潔に質問してくれというのに、望月記者はまったく聞く耳を持たないのはかなり滑稽である。望月記者は、意見と事実の違いを認識しているのかわからないが、進行係の人の発言を質問妨害とみているようだ。

   東京新聞や望月記者は、国民の知る権利の代わりに行使しているつもりだろうが、意見をいわないで質問したらいいだろう。記者会見をみていると、質問よりも意見開陳のほうが長い。

   今のままなら、記者会見に出ている同業記者にとっても、時間の浪費でその分自分達の質問時間が削られているという不満が出てきても不思議ではない。それこそ国民の知る権利を奪うことにもなってしまい元も子もなくなる。


++ 高橋洋一プロフィール
高橋洋一(たかはし よういち) 元内閣参事官、現「政策工房」会長 1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2006年からは内閣参事官も務めた。07年、いわゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。10年から嘉悦大学教授。著書に「さらば財務省!」(講談社)、「ド文系大国 日本の盲点」(三交社)、「『消費増税』は嘘ばかり」(PHP新書)など。


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