サイバーエージェント子会社が運営するクラウドファンディング(CF)サイト「Makuake(マクアケ)」で、会社の破産により支援者に商品が届かないトラブルが起きた。
マクアケでは全額返金を決定したが、CFのリスクが露呈した形となった。
債権者の半数以上がCFの出資者
輸入代行会社「アスタイル」(東京都千代田区)は2018年6月15日、マクアケでイビキ防止商品「イビキトリーナ」の資金を募った。
同商品は海外メーカーが製造し、販売をアスタイルが手がける。その元手を不特定多数の個人を対象に1万4850円から募った。期限の7月30日までに337人から約550万を集めた。
しかし商品は一向に届かず、年が明けた2月中旬にアスタイルの「破産手続開始通知書」が支援者に届いた。通知書には2月14日に同社が破産手続きを開始し、「破産者の財産で債権者に対する配当(返済)ができない可能性が高い」とある。
申立人代理人の石塚慶如弁護士はJ-CASTニュースの取材に、破産理由を「売上高の低迷により税金等の支払が困難となったことによります」と説明する。
石塚弁護士によれば、負債総額は約5000万円。債権者は480人で、イビキトリーナの購入者337人も含まれる。
規約では「トラブルの責任は負わない」も今回は...
支援者の間では不安が広がったが、マクアケの広報担当者は2月22日に支援者への全額返金を決定したと明かした。
マクアケの利用規約では、「プロジェクト実行者と支援者の間でトラブル等が発生した場合であっても、当事者間で解決されるものとし、当社は責任を負わないものとします」とある。しかし今回のケースは「実行者が事実上存在しなくなり、当事者間の解決が不可能になった」として、マクアケが返済するという。
「弊社では全プロジェクト、開始前には審査を実施しておりますが、今後更に審査基準の見直しを図り、支援者の皆様に安心してサービスをご利用頂けるよう努めてまいります」(広報担当者)
(J-CASTニュース編集部 谷本陵)