平和賞欲しさに大譲歩も? 迫る米朝会談、不安は「トランプ氏の勇み足」

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あいまいな約束で「重要カード」切ってしまうリスク

   さらに問題なのが、トランプ氏が北朝鮮に譲歩しすぎてしまう問題だ。トランプ氏は1回目の米朝首脳会談後の記者会見で、米韓合同軍事演習について

「戦争ゲームをやめ、多額の節約ができるだろう」

と発言。国防総省が3か月間にわたって軍事演習を中止すると発表したのはトランプ氏の発言から10日も経った6月22日のことで、トランプ氏の勇み足を受け、事務方の調整に時間がかかった可能性がある。これが、今回の会談でも繰り返される可能性がある。例えばニューヨーク・タイムズ紙が、トランプ政権から説明を受けた専門家の話として指摘しているのが「いくつかの核施設とミサイルを開放、廃棄するという約束」と引き換えに平和条約を結んでしまう可能性だ。あいまいな約束と引き換えに、米国にとっては重要なカードを切ってしまうリスクだ。トランプ氏は2月19日に「最終的には非核化を望んでいる」としながらも、「核実験がない限り急がない」と述べたばかりで、同紙は

「トランプ氏は、金正恩氏との外交的働きかけがノーベル平和賞に値すると信じており、それを隠そうともしない」

と指摘している。

   北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長は2月23日午後に専用列車で平壌駅を出発。同日夜に国境を越えて中国に入った。2月24日に朝鮮中央通信が平壌出発を報じたのを最後に、25日夕方時点では正恩氏の滞在地に関する続報は出ていない。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

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