既存メディアが担わない「新しい役割」
動画の内容は、榎森さんが担当した。
「各部門、取材のお電話されているみなさんがいた。電話とかされていたので、ぼくも大きい声でわめいたりしちゃったら聞こえづらくなると思うし、取引先の方も『なんかすごい音が後ろで流れてるけど大丈夫?』みたいになると思うので、できるだけテイクは重ねられないなと思いました」
社内では、「(動画を)見てます」などと声を掛けられることがあり、「マスコミの皆さんにも見ていただいているんだ」と感じたそうだ。
18年9月には、安室奈美恵さんの引退をめぐる加熱報道についての動画を公開した。その背景には、世の中に問題提起するのがマスコミの仕事だと思うが、マスコミ自身の問題を提起する存在はないとの考えから、「マスコミ自身がそういう仕組みをつくっていかないといけない」との持論がある。
「ぼくみたいにネットで発信する人は、テレビ、ラジオ、新聞とかの批判をしていく。(そんな既存メディアがやらない)新しい役割をネットが担えたりするのかなと思う。『ここのテレビ局のことを言ったら仕事もらえなくなるんちゃうやろうか』みたいなことはあるが、どこのテレビ局からも別に仕事もらっていない状態なので(笑)」
報道関係者から取材依頼をもらうことが多い榎森さんだが、「僕らの業界からしたら、このやり方、俺らの業界にないなというのが結構ある」と驚くこともあるそうだ。