広尾・市ヶ谷はなぜ、「住みここち」が良い街なのか 居住者が高く評価したポイント

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   1位は広尾(東京都)、2位は市ヶ谷(同)、3位は北山田(神奈川県)――賃貸アパートの情報検索サイト「いい部屋ネット」を運営する大東建託は2019年2月20日、首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)の1224駅周辺に住む約6万人を対象に「街の住みここち」を調べた結果を発表した。

   「いつか住みたい街」の人気ランキングと異なり、実際に居住する住民が自分の町を評価した「居住満足度」のランキングは不動産業界でも珍しいという。

  • 広尾商店街。その充実度も評価ポイントに
    広尾商店街。その充実度も評価ポイントに
  • 広尾商店街。その充実度も評価ポイントに

適度な便利さと治安・静かさも両立

   調査は「静かさ・治安」「交通利便性」「生活利便性」など8項目54問を首都圏の居住者にインターネットで行い(回答6万1319人)、総合評価の平均点で順位を決めた。首都圏で6万人規模の今回のような調査は初めてという。

   同社によると、1位の広尾は六本木と恵比寿の間に位置し、駅近くには有栖川宮記念公園があり、商店街も充実している。日本赤十字社医療センターや都立広尾病院なども近く、隠れ家的なレストランやバーも多い。居住者からは交通利便性、生活利便性、イメージ、治安、静かさ、親しみやすさの評価が高く、多くの項目でバランス良く高い評価になったという。

   2位の市ヶ谷は、駅前は比較的こじんまりした印象だが、周辺には飲食店が充実。大通りから少し入れば静かな地域となり、千鳥ケ淵周辺には高級分譲マンションも点在する。居住者からはイメージ、交通利便性、静かさ、治安が高く評価されたという。

   3位の北山田は横浜市都筑区で、横浜市営地下鉄グリーンライン。知名度はあまり高くないものの、東横線・目黒線日吉駅まで4駅10分ほどで、駅近くに戸建て住宅、マンションが広がる。駅周辺に量販店、公園があり、同社は「よく整備され成功した郊外住宅地の代表格といえる」と評価している。

「住みたい街」の上位陣と比べると...

   調査に当たった大東建託賃貸未来研究所の宗健所長は「1位の広尾、6位の恵比寿などは比較的有名で人気の街だが、市ヶ谷、北山田、南阿佐ヶ谷など商店街が適度にあり、比較的静かで住環境のよい街が上位にランクした」とコメント。「北山田、柏の葉キャンパス(千葉県柏市)、江田(横浜市青葉区)などニュータウンも上位を占めた」と評価した。

   「よく整備され成功した郊外住宅地の代表格」としては、京王相模原線の若葉台(東京都稲城市、駅は川崎市麻生区)が25位と、東京都下の多摩地区では最高位にランクされた。若葉台は新宿から京王線で30分程度かかるものの、多摩ニュータウンの再後発開発地区として住民の評価が高く、都心の代々木上原(23位、小田急小田原線)、白金高輪(24位、都営三田線)に続き、東池袋(26位、東京メトロ有楽町線)や目白(28位、JR山手線)など都心の著名な一等地より上位となった。

   今回の調査は、実際にその街に住んでいる人の自己評価、満足度の評価で、よくマスコミなどに登場する「住みたい街」のランキングとは異なるのが特徴だ。「住みたい街」は人気投票で、憧れや想像の世界という。今回、同社が同時に行なった「住みたい街」のランキングは(1)吉祥寺(東京都)(2)横浜(神奈川県)(3)恵比寿(東京都)(4)鎌倉(神奈川県)(5)新宿(東京都)――の順となっており、満足度を示す「住みここち」ランキングとは顔ぶれが異なるところが面白い。

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