JR西日本が「みどりの窓口」を大幅削減する構想を発表し、ネット上では「不便になるのでは」と心配の声が出ている。
今回発表されたのは、駅係員が常駐する「みどりの窓口」は新幹線駅や拠点駅を中心とし、その以外の駅では券売機で「みどりの窓口と同等のサービス」を提供するというものだ。
駅係員は「フロント業務」へ注力
この構想は2019年2月19日、来島達夫社長の定例会見で明かされた。JR西グループは18年4月に発表した中期経営計画に「セルフ化の推進」を盛り込んでいる。切符の販売(出札)や改札業務などを省力化し、駅係員は接客を中心とする「フロント業務」へ注力。みどりの窓口の削減も、その一環として行われる。
背景にはICカードでの乗車や、ネット予約・チケットレス化の普及がある。JR西が発行するICOCA(イコカ)の利用率は約75%。今後も利用可能エリアを広げることで、旅客の利便性向上につなげるとしている。また、「エクスプレス予約」や「e5489(いいごよやく)」といったネット予約サービスでも、窓口に並ばなくてもよいサービスを構築していくという。
そのうえで、京阪神エリアに180駅(2018年度初時点)ある「みどりの窓口」を、2030年度ごろに30駅程度まで削減する目標だ。一方、「窓口と同等のサービス」を提供できるという「みどりの券売機プラス」は現在の50駅から100駅程度に。定期券を購入できる「高性能型券売機」は現在の70駅から、ほぼすべての有人駅に拡大する。