苦戦する久美子社長にエールを送ってきた父
さらに今回、陳海波社長が率いるハイラインズとも業務提携した。ハイラインズは中国のオンラインショピングサイトでアリババグループの「天猫国際」に旗艦店を出店するほか、プラットフォーム「J-mall」を運営。大塚家具は、日中の越境ECビジネスで協力を乞う。
ブランドイメージを棄損した「在庫一掃セール」だが、インターネット通信販売の売上高が前年同月比58.0%増と大きく伸びたことは収穫。これが久美子社長の「越境EC実現」の背中を押したのかもしれない。
そうしたなか、ハイラインズの陳社長が久美子社長に、経営権をめぐって激しく対立した父で創業者の大塚勝久氏と和解するよう提案したことを2019年2月23日付の朝日新聞デジタルが報じた。久美子社長も前向きに検討する意向を示していたと、伝えている。
現在、勝久氏は大塚家具を去り、新たに高級家具販売の「匠大塚」を立ち上げている。ただ、その後も苦戦する久美子社長にエールを送り、アドバイスも辞さない姿勢をみせていた。
朝日新聞によると、陳氏は、創業家が対立したままでは大塚家具のブランド価値を毀損するとの考えを示したうえで、「どちらも高級家具が売りで、客層が同じ。家族で客を奪い合っても仕方がない」と語ったという。
陳氏は大塚家具の資本支援のとりまとめ役であり、その発言力には、さすがの久美子社長も無視できまい。赤字経営が続けば、続投も危うい。父・勝久氏との和解実現の可能性が、急速に高まっているかもしれない。