PayPayやLINE Payに対する「メルペイ」の優位性
中間決算の発表を受けて8日のメルカリの株価は一時、前日終値比10.2%(238円)高の2560円まで上昇した。当日安値が前日高値を上回る「窓を開ける」急伸で、節目感を演出した。もっとも、上場時に6000円まで上がった株を「高値づかみ」した投資家の戻り待ちの売りもあったとみられ、終値は5.7%(133円)高の2455円まで押し戻された。
次の大きな買い材料は13日のスマホ決済メルペイのスタートだ。メルペイ導入によって利用者の利便性は飛躍的に高まる。従来はフリマアプリ上で得た売上金はアプリ内で別の中古品の購入に回すか、手数料を払って銀行口座に振り込むしかなかった。スマホ決済メルペイを活用することで、NTTドコモの決済サービス「iD」に対応した決済端末を持つ全国90万カ所のリアル店舗で、アプリ内の売上金を使って買い物をすることが可能になった。
スマホ決済は市場が立ち上がったばかりで、LINEの「LINE Pay」、ソフトバンクとヤフーが出資する「PayPay」が決済額の一部を還元する一大キャンペーンを展開し、利用者確保に躍起になっている。これに対しメルペイは1000万人を超えるフリマアプリの顧客がすでにおり、その多くは売上金をアプリ上に持つため、新たに入金したり、個人情報を登録したり手間がなくスマホ決済ができる。
メルペイによるスマホ決済導入はフリマの取引活性化、流通総額増加につながるという相乗効果も期待できるとして、メルカリ株が買われた。14日は一時、前日終値比9.1%(238円)高の2859円まで上昇し、またも「窓を開ける」伸びを示した。週末の17日、日本経済新聞系メディアが、「スマホを通じた国内利用者数で昨年、メルカリが『ヤフーオークション』を追い抜いた」と報道したことも、週明け18日までの連騰を後押しした。
ただ、7連騰した18日の終値は2845円で、まだ上場来高値(6000円)の半分に満たない水準。今後、成長期待が株価の戻りを待つ投資家の売り圧力をこなせるか、注目される。