北海道で最大震度6弱を観測した地震を巡り、SNS上でデマが出回っているとして、北海道などが公式ツイッターで注意を呼びかけている。
「俺の親戚が自衛隊なんだけど明日の朝本震来るって」「本当です!地鳴りがしているので5、6時間後には本震がきます」
「CCSにより人工的に引き起こされたのではないか」
2019年2月21日夜に起きた地震を受け、翌22日朝に北海道庁で開かれた道災害対策本部の会議では、こんなツイッター上の「流言飛語」が紹介された。
道警が情報提供したもので、このほかに、「東日本大震災はこのクラスの揺れの2日後本震あった」といった同様のツイートが地震発生直後に流れたという。
北海道公式サイトからたどれる会議資料に載せられた、22日5時30分現在の「SNS上における流言飛語認知状況一覧」によると、鳩山由紀夫元首相のツイートまで、道警から「流言飛語」に認定されてしまっている。
それは、地震の原因に「苫小牧での炭酸ガスの地中貯留実験(CCS)」を挙げ、「本来地震に殆ど見舞われなかった地域だけに、CCSによる人災と呼ばざるを得ない」と主張するものだ。鳩山氏は、18年9月に北海道で起きた最大震度6強の地震についても、「CCSにより人工的に引き起こされたのではないか」と言っている。
この発言に影響を受けたような別のツイートも直後に出回ったが、鳩山氏のツイートは22日19時現在も削除されていない。
同様な原因についてのデマも出回っており、道警や報道によると、「地震の原因は北大の核実験らしい」「中国の地震兵器の実験が原因」といったデマが見られるという。
「公的機関の発表する情報を確認するようにして」
道警からのアドバイスを受け、北海道の広報広聴課も2月22日朝、公式ツイッターで注意を呼びかけた。
「『5、6時間後には本震がくる』といったような、根拠のない情報がSNSで発信されています。こうした情報に惑わされることなく、公的機関の発表する情報を確認するようにしてください」
また、道警の防犯情報発信室も同日夕、「正しい情報の入手について」のタイトルで、「伝聞情報を安易に信じることなく、公的機関の正確な情報を確認して、落ち着いて対応しましょう」と公式ツイッターで呼びかけている。
震災時のデマについては、2016年の熊本地震の発生直後に「熊本で動物園のライオンが逃げた」などとツイッターで流したとして、神奈川県内の会社員の男が逮捕されたことがある。
その後の地震でも、SNS上のデマは収まらず、18年の北海道地震では、「札幌市全域で断水する」「あと4時間でDoCoMoの携帯電話が使えなくなる」といった偽情報がツイッターに出回って、市やNTTドコモが注意を呼びかける事態になっていた。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)