羽鳥「僕は違うと思いますね」玉川「どう違う?」 ウーマン村本インタビューにスタジオ緊迫

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   ウーマンラッシュアワーの村本大輔さんに、テレビ朝日の名物記者である玉川徹さんがインタビューした様子が放送された。村本さんは、沖縄基地問題など社会性のある話題をツイッターで発信し続ける理由やメディア(テレビ)批判について語った。

   村本さんの熱弁をうけたあとのスタジオトークでは、司会の羽鳥慎一さんが開口一番、「僕は違うと思いますね」と硬い表情で述べ、緊張した空気も流れた。放送後、村本さんはツイッターで、「(羽鳥さんらが)とてもいい顔してた。収穫あり。ありがとう玉川さん」と投稿した。

  • 「羽鳥慎一 モーニングショー」のスタジオトークで…(画像はテレビ朝日サイトより)
    「羽鳥慎一 モーニングショー」のスタジオトークで…(画像はテレビ朝日サイトより)
  • 「羽鳥慎一 モーニングショー」のスタジオトークで…(画像はテレビ朝日サイトより)

「炎上したら広がる」「考えることを成熟させる」

   朝の情報番組「羽鳥慎一 モーニングショー」(テレビ朝日系)では2019年2月21日、村本さんとジャーナリストでシリアでの拘束・解放で知られる安田純平さんの2人に番組コメンテーターの玉川さんがインタビューした様子を録画で放送した。「『伝えること』が仕事の2人」というキーワードも紹介された。

   インタビュー部分の放送時間は約13分(うちCM約4分、他にCM前後に重複部分あり)。玉川さんの質問や安田さんの回答部分もあるが、かなりの時間を村本さんの熱弁が占めた。なぜ沖縄の基地や原発といった社会問題に関心をもち、現地に足を運び、ツイッターなどで情報発信をしているのかについて語り、メディア(玉川さんの質問をうける形で特に「テレビ」)批判も展開した。

   インタビュー映像の終了間際には、玉川さんから「僕から見ると、そんなことまで書かなくていいのにな、ということもツイッターで出すのも意味があるということ?」との質問をうけ、村本さんは

「意味がある。炎上したら広がる。広がったら考える人が増える。全員がバカじゃないから。『村本バカ』だとか『村本正しい』と言うより、みんな各々、明日から違う考えになって、明後日から違う考えになってる。考えることを成熟させることですよ」

と一気に語った。

「広めるために炎上させるのはダメだと思いますね」

   直後にスタジオトークに移り、玉川さんから「どうですか。伝える側として」と意見を求められた司会の羽鳥さんに笑顔はなく、厳しい表情で

「僕は違うと思いますね」

と断じた。長いインタビューだけに、どういう内容に対する感想なのかが問題となるが、玉川さんの「どう違う?」との質問に

「広めるために炎上させるのはダメだと思いますね」

と答えた。先に触れた「ツイッター」「炎上」云々の箇所への反応のようだ。

   思わぬ「反撃」に戸惑ったのか、玉川さんは自身が「刺さった」という他の論点(テレビ批判)について話題を転じようとしつつ、ツイッターについては「僕も炎上っていうことじゃないだろうな、それは村本さんのやり方ね、と...」と羽鳥さんの見解に理解を示そうとしていた。しかし、羽鳥さんは

「僕は違うと思います」

と、きっぱりした口調で繰り返した。

   ここで玉川さんらが同時に話そうとして、やや混乱状態になったあと、コメンテーターで女優の高木美保さんが「羽鳥さんに近いんですけど...」と、やはり厳しい表情で話し出す。論点が村本さんの「テレビ批判」にも及ぶため、関係する当人発言を確認しておくと、

「(たとえば中国のネガティブなニュースを聞くと)安心する人がいるんですよ。(略)だからネガティブなニュースは(頭に)入れる、信じる。やっぱり不安だから信じて安心するわけじゃないですか」
「だから信じたいんです。信じて楽になりたいんです。ということは不安なんですよ」

いった見解をベースに、テレビがそうした視聴者の要求に「乗っかってる」として、

「不安を解消するための道具で、真実を伝えるための道具じゃない。テレビは」

と批判を展開していた。

「とんがってる発言が真実なのか」

   先の高木さん発言に戻ると、

「じゃあ、とんがってる発言が真実なのか、という疑問にいつもぶち当たるんですよ。とんがってるんだけど、真実であるという確実性はないわけですよ。テレビみたいに、『マイルド』に伝える人も、とんがって伝える人も、その両方をファクトチェックする自分でいなくてはいけない」

と、テレビの伝え方がたとえ「マイルド」であっても否定すべきものではない、との見解を示した。さらに、

「炎上させればいい、と開き直られちゃうと、ちょっと抵抗を感じるんですけど」

と、「炎上」論にも言及した。その直後は、

「そっちじゃない。そっちじゃない。真実を伝えるメディアではなく、安心を伝えるメディアになってるって、そっち(の論点)」(玉川さん)
「それじゃダメなんですか」(羽鳥さん)
「えっ?」(玉川さん)

とのやりとりをはさみ、またしばらく混乱があった。

宇賀なつみ「情けなかったり、悔しかったりすることも」

   一方で、宇賀なつみアナウンサーは

「報道の世界にあこがれて入った自分ですが、ちょっと現実は違ったなと思って情けなかったり、悔しかったりすることも確かにあります」

と、メディア側の反省とも受け取れる意見を述べた。当の玉川さんもインタビュー時、沖縄の県民投票問題について、「ニュースではちょっとずつやりますけど、例えば情報番組とかでは一切やらないでしょ」という問題意識を披露しており、スタジオでの宇賀アナのコメントのあと、

「ウソは言ってない。ただ、それでしかない、ということを僕もやってて感じることはある」

と、忸怩たる思いが残る仕事や報道ぶりがあることを吐露していた。

   スタッフに促された玉川さんは、コーナーのまとめに入り、パネルのシールをはがし、

「わかりやすく、面白く伝える工夫をし続けるしかない」

と読み上げて締めくくった。

   放送が終わったあとの昼ごろ、村本さんは

「羽鳥&高木がとてもいい顔してた。収穫あり。ありがとう玉川さん」

とツイートした。真意ははっきりしないが、硬く厳しい表情だった羽鳥さんと高木さんの反応について、村本さんによるテレビ批判に反発したテレビ関係者の「顔」(本音)が浮き彫りになったと受け止めた可能性もある。

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