収束の気配が一向に見られないバイトテロの数々。外食チェーン「大戸屋」では、従業員が配膳用のトレイで、露出した下半身を隠している様子が撮影・拡散され、話題になっている。動画の中の人物は、トレイで単純に下半身を隠すだけでなく、そのトレイを回転させるなどしてふざけているが、その様子から、ネット上ではお笑い芸人のアキラ100%さん(44)を連想したとの声が続々だ。
アキラさんといえば、2017年2月放送の「R-1ぐらんぷり」(フジテレビ系)に出場し優勝。同番組で披露した「お盆芸」は大注目を集め、一躍時の人になった。今回の騒動に関連して視聴者の意識に上ってしまったのはトバッチリ以外の何物でもないが、それでも、ネット上では「お盆芸=アキラ100%」と結びつける投稿が少なくない。
スーツ姿で「議員役」
そんなアキラさんだが、今年に入ってから意外な場所で大活躍していた。2019年1月31日放送のドラマ「スキャンダル専門弁護士 QUEEN」(フジテレビ系)で、アキラさんは東京都議会議員役でゲスト出演。スーツ姿でテレビに映るアキラさんに対しては、「服着たら普通に俳優っぽい顔してるし、胡散臭めの議員役とかスーツ着る役似合いすぎ」と、俳優として絶賛の声が。「あまりにも普通に馴染んでたし俳優さんでもやっていけるのでは」と、演技力も問題なしとする声も上がっていた。
今後は俳優としても活躍できそうなアキラさんだが、その一方で、定番の「お盆芸」を期待する声も多い。事実、今回の不適切動画を見たとする視聴者からは、「アキラ100%のお盆芸がいかに完成度や洗練度が高いのかを実感する」といった称賛の声が次々と上がっている。
だが、今後、アキラさんがお盆芸を披露するには1つ、大きな壁が立ちはだかりそうだ。それはズバリ、「テレビの技術革新」だ。
高画質になると不都合が?
お盆芸全盛期の2017年5月、とあるイベントに出席したアキラさんはお盆芸について、「科学技術の進歩と戦っている」「4Kテレビとか、ハイビジョンカメラでは見ないでほしい」と発言。同様の発言は同年同月に「FLASH」でも行っている。どうやら、撮影技術が進むとアキラさんにとって「非常にまずい事態」が発生するようだ。
現在普及が進められている「4K」や「8K」放送では、1秒間あたりに並べられるコマ数が、従来よりも多くなる。総務省の特設ページによると、現状は1秒間に30コマ(60iの2フィールドを1コマと表現)なのが、最大で120コマに高速化できるという。
コマ数が多ければより細かい動きが撮影できるわけだが、事実、17年11月に放送された「水曜日のダウンタウン」(TBS系)では、アキラさんが1秒間のコマ数が2000コマのハイスピードカメラと「対決」。その結果、スロー再生では画面の一部が黒く塗りつぶされており、アキラさんが完敗する様子が放送されてしまった。
これらの状況を総合すると、「お盆の回転の速さで生まれる残像が、コマ数が細かくなると隠し切れなくなる」ことになり、4K・8Kに耐えられない可能性が浮上する。前述の「科学技術の進歩と戦っている」という発言が、「お盆の回転速度」に言及しているのであるとすれば、まさしく、発言の通りである可能性は高い。また、4K放送を嫌う発言も行っている以上、解像度の向上もまた、アキラさんにとっての敵のようだ。
技術革新が進むにつれ、残念ながらアキラさんは「100%」ではなくなってしまいそうだ。ひるがえって今回好評だったドラマ出演は、アキラさんがお盆芸で戦えなくなってしまった際の新たな本業となりうる可能性を秘めているのではないだろうか。
(J-CASTニュース編集部 坂下朋永)