自らも病魔と闘った過去が
1992年のアルベールビル五輪での銅メダリスト(女子スピードスケート1500メートル)として知られる橋本氏。幼いころからスケートに親しんでいたが、小学校3年生で腎臓病を患い、2年間スポーツから離れざるを得なかった。橋本氏の公式サイトには、同い年の患者が亡くなった時のエピソードとともに、母親からかけられた、こんな言葉が載っている。
「神様は誰に対しても平等に、喜びと悲しみと、楽しさ、苦しさを与えてくれる。だから、最初につらいことや悲しいことを与えられた人には、後に喜びや楽しみがたくさん残っている。だから、今病気になってありがたいと思いなさい」
病魔に襲われたのは、この時だけではない。2014年10月7日の日本経済新聞朝刊「スポートピア」欄では、腎臓病の再発を振り返っている。練習できないストレスで「胃に穴が開いて円形脱毛症に」。ストレス性の呼吸筋不全症を併発したが、B型肝炎にも院内感染してしまい、「腎臓病と肝炎と呼吸筋不全症という三重苦に陥った」という。当時は高校3年生、ちょうどいまの池江選手と同じだ。
なお橋本氏はその後、19歳でサラエボ五輪に初出場。スピードスケートと自転車競技で、夏冬あわせて7回出場し、参院議員1期目に「二足のわらじ」で挑んだアトランタ五輪(96年)を最後に、現役を引退している。