炎の男・輪島氏が子息にボクシングを命じた理由は...
最近の二世ボクサーの特徴といえば、世界王者になれなかった父に代わって世界王者を目指しているという傾向が強い。一度、頂点を極めたボクサーは、その険しさから子息にボクシングをやらせたがらないが、夢半ばで引退したボクサーは自身の夢を子息に託すということだろうか。
かつて、元WBA、WBC世界スーパーウエルター級王者・輪島功一氏(75)の次男・大千さんを取材したことがある。31歳でプロデビューした異色のボクサーで、父に命じられてプロになったという。その理由を輪島氏に聞いたところ、「ボクシングのトレーニングは辛いものだが、その分、勝った時の喜びは大きい。息子にはボクシングを通じて人生の勉強をしてほしかった。なにくその気持ちだよ」と苦労人ならではの理由だった。
1952年に白井義男氏が日本人として初めて世界王座を獲得してから67年。日本初の親子世界王者誕生の時は、そう遠くないかもしれない。