社会問題を風刺する芸人として知られる、お笑いコンビ「ウーマンラッシュアワー」の村本大輔さんが、福島県浪江町をめぐり自身のツイッターで発言した内容に、ネット上では批判が相次いだ。
投稿は、浪江町で「自分の町がなくなることへの話が聞きたい」と呼び掛けたもの。「たいへん失礼」「心底軽蔑する」など批判の声が殺到し、2019年2月15日に謝罪した。
「自分の町がなくなることへの話が聞きたい」とツイート
村本さんは12日未明、「福島の浪江町で21時以降の遅くまで空いてる飲み屋さんありますか?あと宿も。知ってる方いたらインスタのDMください。自分の町がなくなることへの話が聞きたい。ちなみに明日の話です」と問題になった発言を投稿した。 浪江町は2011年の東日本大震災に伴う福島第1原発事故の影響で、今なお大部分が帰宅困難区域に指定されている。
この発言に対し、ネット上では
「いつ浪江町が地球上からなくなったのですか?住んでる人達にたいへん失礼な物言いだと思います」
「浪江出身の知り合いいますが突然家が流されて何も無くなって命からがら避難して、帰宅困難地域で思い出の品取りに行くこともできず娘さんは友達と離れ離れで行きたかった高校にも行けず別の土地で暮らしています。今でも思い出すと泣き出すので話を聞く相手は慎重に選んでくださいね」
「町は無くなってません。時が止まってるだけ。私たちの中では止まっていても、整備され2~3年で役場中心に更に整備計画など動いてます。無くなるてなんですか?」
など、発言を次々と批判するコメントが寄せられた。一方で、地元出身とみられるユーザーからは、「謝る必要はありません。現場を見ることも大切ですから」というような声も。
ジャーナリストの江川紹子さんも自身のツイッターで、村本さんの発言を引用して批判するユーザーの投稿をリツイート。15日13時30分ごろにはこの投稿に対して、
「本当に、こいつ何様のつもりか、と思う」
とつぶやいている。
「感情的になって思いやりのない言葉を使ってしまった」
14日16時30分ごろ、村本さんはウェブサービス「note」に文章を投稿。「「犠牲」がなんなのか知りたくて福島県双葉郡浪江町に行った」と題した記事で、休みを利用して浪江町を訪問したことを明かした。町民の集まる居酒屋で地元の人たちと話をした中で、印象に残った経験談などをつづっていた。
村本さん自身も、大飯原発のある福井県おおい町の出身。今回、批判が相次いだのを受けて15日夜、自身のツイッターを更新し、
「「自分の町がなくなることへの話」ってので炎上してるらしい。たしかに思いやりのない言葉でした。僕の地元が福井県のおおい町で、地震があったら、って考えたら、感情的になって思いやりのない言葉を使ってしまった。すいません」(原文ママ)
とお詫びし、「言葉は難しい、、」と心境を吐露。noteでも同日夜、「不快な気持ちにさせた人へ」と題した記事を公開し、
「いままで、知らなかった自分の無知さが恥ずかしくなった。そんなことしか考えてなかった、おれが地元の人を集める時にツイッターで「自分の町がなくなる気持ちを知りたい」と素直に書いた一言が最低な一言だったなんで。自分が人としていかに欠けてるか、を思い知らされた。おれは思いやりが欠けてた。いや、欠けている。大反省しないと」(原文ママ)
と自身の発言を省みた。
(J-CASTニュース編集部 田中美知生)