レオパレス21のアパート施工不良問題で、「引っ越し難民」が2019年3月に大量に発生するのではないかと、メディアなどで話題になっている。
入居者については、引っ越そうとしても断られるのかどうか。J-CASTニュースでは、会社側に話を聞いた。
ヤマトの受注休止で、例年より3割も増えたとの指摘も
今回の問題では、アパートの天井が建築基準法の耐火基準を満たしていない物件が641棟あり、2019年2月11日現在で7711人が3月末までの引っ越しに協力を求められる。
さらに、遮音性などの問題から、最大で1324棟の1万4000人余が引っ越しを求められる可能性が出てきた。
ところが、3月は、引っ越しシーズンに当たり、通常の2倍ぐらいの受注が業者に来る。国交省が「分散引っ越し」を呼びかけるなどしているが、19年は例年より厳しい状況になっている。それは、ヤマトホールディングスの引っ越し子会社に18年夏、法人向け引っ越し代金の過大請求問題が発覚し、一般向けの新たな受注を休止しているからだ。
報道によると、例年より3割も受注が増えているとする引っ越し業者の証言もあった。料金を2、3割アップしても、注文がいっぱいになるともいう。
ツイッター上などでは、レオパレスのアパート入居者から、年度末で忙しいのに迷惑だといった声のほか、引っ越しを求める依頼書が部屋に届いたがこの時期に引っ越しできるのかと戸惑う声も出ていた。
また、提携の引っ越し業者でないと費用負担はできないとレオパレス側から言われたと不安を明かす書き込みもあった。
入居者への引っ越し協力要請について、レオパレス21の広報部は15日、J-CASTニュースの取材に次のように説明した。
「できる限り、断られることがないようにしたい」
「3月末までに出て行ってほしいと報道されていますが、それはあくまで目安です。実際には、入居者様のご都合を最優先して、引っ越しのご案内をさせていただいています。3月末までに出ていかなければならないということは、必ずしもありません」
提携の引っ越し業者の利用については、「原則として使っていただければということで、入居者様が個人で業者の方にお願いした場合は、個別に判断して対応します。必ずしも費用負担はできないということではないです」と説明した。
シーズンの3月に引っ越しを断られてしまうことがあるかについては、そのような可能性もあることは認めた。その一方で、「できる限りそういうことがないように、希望に添えるように対応していきます」と話した。
引っ越しについては、2月8日から順次案内しているというが、3月の希望を断ったケースがあるかについては、「個別の対応状況は公表していません」とした。
なお、毎年のように「引っ越し難民」が報じられることについて、ネット上では、「人事異動が集中しているのが問題。もう少しどうにかならないものか」「まずは国家公務員から異動時期をずらすべき」「会社や学校等からも配慮や調整等の協力体制をお願いしないと到底解決しない」といった声が上がっている。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)