拉致被害者めぐる調査などの窓口にも
今回の件以外にも北朝鮮の赤十字は、様々な面で日本や韓国との窓口になってきた。1950年代から1984年にかけて行われた在日朝鮮人の帰還事業は、1959年に両国の赤十字がインドのコルカタで結んだ協定に基づいて進められた。日本人拉致被害者をめぐる調査や、南北離散家族の再会事業の窓口になっているのも赤十字だ。1995年の阪神淡路大震災、2004年の新潟中越地震、11年の東日本大震災の際には日本赤十字社に見舞金を送っている。
ジュネーブに本部を置く国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)のウェブサイトでも、北朝鮮の赤十字の活動について触れられている。北朝鮮が18年8月に記録的熱波に見舞われ、干ばつの危険が指摘された際には、平壌に事務所を置くIFRCと北朝鮮の赤十字が協力しながら対応にあたったことが紹介されている。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)