北朝鮮のものとみられる木造船が相次いで漂着している問題で、北朝鮮が、船に乗っていた人を送還するなどした日本側の対応に対して「謝意」を示す異例の対応をした。この対応に、野党議員から「物言い」がついた。
北朝鮮の国営メディアによると、日本側に謝意を示したのは北朝鮮の赤十字会「朝鮮赤十字」。だが、2019年2月12日の衆院予算委員会で飛び出したのは、この朝鮮赤十字について、「ちゃんと組織されているかどうかというのは、これはとても信じがたい」とする主張だ。
相次ぐ「漂着」に懸念示す中で
この日の質疑では、国民民主党の渡辺周議員が、木造船の漂着問題を取り上げた。渡辺氏は民主党政権で総務副大臣や防衛副大臣を歴任している。答弁に立った警察庁の担当者によると、「国籍不明」の船の漂着事案は18年に入ってから29件で、そのうち2件で生存者がいた。例えば19年1月には、島根県隠岐の島町に小型木造船が漂着し、4人の男性漁民が警察に保護されている。
渡辺氏は現状について
「北朝鮮の船が、あの拉致をされた時代と変わらずに、今も漂着をしている。しかも、上陸までしている。この上陸した人間が漁船なのか工作員なのか。その点について、当然、沿岸の住民は不安を覚えるところ」
などと問題視。その上で、エンジンが壊れた船ですら日本に到達できるのであれば、
「何らかの機能、エンジンを持った船ならばもっと安易に目的地に来ることができるのではいかと思う」
と指摘し、北朝鮮からの「謝意」の件に触れた。