日本人ボクサー、海外進出の新しい形 背景にはテレビ中継の減少も

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   日本人ボクサーの海外進出がここ数年、顕著になった。今年に入ってすでに2人の日本人ボクサーが海外で世界王座に挑戦している。2019年1月18日(日本時間19日)に高橋竜平(29)=横浜光=が米ニューヨークでIBF世界スーパーバンタム級王座に挑戦し、井上岳志(29)=ワールドスポーツ=が1月26日(日本時間27日)に米ヒューストンでWBO世界スーパーウエルター級王座に挑んだ。いずれも王座獲得には至らなかったが、近年にみられる日本人ボクサーの海外進出の象徴的な世界戦だった。

   今月9日にフィリピン・マニラでWBA世界バンタム級暫定王者と対戦したボクサーがいる。バンタム級を主戦場としてリングに上がる中村優也(28)だ。この一戦は世界王座をかけたものではなく、ノンタイトル10回戦で行われ、中村は世界の暫定王者に2回TKO負けを喫した。上記の高橋と井上と同じく世界を股にかけてリングに上がる中村だが、高橋と井上と決定的な違いがひとつある。それは中村が日本のどこのジムにも所属せず、フリーとしてリングに上がっていることだ。

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自らプロモーターも兼務して

   一般的に日本でプロライセンスを取得するためには、日本ボクシングコミッション(JBC)に加盟する日本国内のジムに所属しなければならない。そしてそこの所属選手としてJBCが行うプロテストを受け、合格すればJBCからプロライセンスが交付される。これには例外はなく、日本のリングに上がるためにはJBCによるライセンスが必須で、これを持たないボクサーは外国人ボクサー扱いとなる。

   日本のジムに所属せずに海外で活躍する代表的なボクサーは、元世界3階級制覇王者の井岡一翔(29)だ。2009年に父・一法さんが会長を務める井岡ジムからプロデビューし、世界3階級制覇を成し遂げて2017年12月に引退を公表。JBCに引退届を提出したことで日本におけるプロライセンスが失効した。翌2018年7月に現役復帰を発表した際には、日本のジムに所属せずに海外のプロモーターと契約して海外のリングで活路を見出す旨を明かした。

   日本のジムに所属せずにフリーランスとして活躍する井岡と中村だが、厳密にいえば2人のケースは若干、異なる。実績のある井岡は海外の有力プロモーターと契約し、プロモーターが条件などを考慮してカードを取捨選択し井岡に提供する。中村の場合はプロモーターが行うべき業務をすべて自身でまかない、選手とプロモーター業を兼務して自身を売り込んで試合を決めていく。

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