音楽バンド「ラッツ&スター」のトランペット奏者で、「クワマン(桑マン)」のニックネームで知られる桑野信義さん(61)を名乗るツイッターアカウントが「面白い」と話題だ。
よくネタにされる「箸の持ち方」や「セカンドバッグをひったくられる」といったエピソードを、うまく「自虐ネタ」に変えた投稿には、「最近の芸能人アカウントの中でダントツに面白い」といった反応も。開始4日で1万フォロワーを超えているが、本当に桑野さん本人のアカウントなのか? 担当マネジャーに確認した。
初投稿は「アクアマン」ならぬ「ア・クワマン」
ツイッターが立ち上がったのは、2019年2月8日。最初のツイートは、上映中の映画「アクアマン」に引っ掛けた、「ア・クワマン」なるポスター風の画像だ。「ネットの海で、暴れろ。」「海底から見たこともない桑野が攻めてくる!」とのキャッチコピーがおどっている。
ポスターの中心には桑野さんがいるのだが、格好はツッコミどころだらけ。鳥のおもちゃを右手に持ち、筋肉を模したデザインのTシャツを着用。長い茶髪のかつらもかぶっていて、本家ポスターに近づける工夫が随所に現れている。投稿には「#勝手に応援 #私は出ていません #だから出たい」といったハッシュタグも。このツイートは2月12日午後現在、9000リツイート、1万2000のいいねを獲得している。
続いて投稿されたのは、箸の「よくある悪い持ち方の例」の図解だった。桑野さんは以前、箸の持ち方が独特だと話題になり、「水曜日のダウンタウン」(TBS系)で「クワマンの箸の持ち方 信じられない説」と紹介されたほど。なお同番組では、後に矯正したと話している。加えて、箸2本を「八つ墓村」よろしく、側頭部に立てた写真もツイートして、フォロワーからは「新しいお箸の使い方ですね!」といった反応も出た。
「盗難防止用鈴」を購入
桑野さんといえば02年、銀座の街中でセカンドバッグをひったくられ、その後も短期間に相次いで盗難被害にあったことでも有名だ。ツイッターでは、これも「自虐ネタ」に昇華している。唯一フォローしているアカウントは、荷物盗難防止用スマートフォンアプリのもの。Amazonのウィッシュリスト(欲しいものを登録する機能)には、セカンドバッグと「盗難防止用鈴」を入れているとも明かし、そのうち鈴は実際に注文完了画面のキャプチャー画像も投稿した。
「自虐ネタ」のオンパレードと言えるツイッターアカウント。ブログでも「突然ですがTwitter始めました」と紹介されているため、おそらく公式のようだが、あまりの完成度の高さに、ネットでは「番組の企画で、誰かが入れ知恵しているのでは」といった予測もある。具体的に「水曜日のダウンタウン」や、同じく藤井健太郎氏が手掛ける「クイズ☆正解は一年後」、「オールスター後夜祭」などではと具体的な名前が上がるほど。藤井氏がリツイートしているのも、その一因のようだ。
「クワマンさんって、ツイッター始めたんですか?」
そこでJ-CASTニュースは19年2月12日、桑野さんの担当マネジャーに電話取材を試みたところ、本人のアカウントであるとの回答だった。マネジャー自身も、11日に同僚から「クワマンさんって、ツイッター始めたんですか?」と聞かれて、初めてその存在を知ったと語る。
これまでブログとフェイスブックで、ライブ情報などを告知していたが、そこで書くまでもないダジャレなどの「日常のクスクス」を載せる場として、ツイッターを始めたと説明する。普通にやっても面白くないと、「明るい裏アカ」をコンセプトに投稿。とくに「答え合わせ」はせずに、偽物疑惑も含めたフォロワーの反応を見て、桑野さんはニヤニヤするそうだ。
「水曜日のダウンタウンっぽいですよね(笑)」とマネジャーも語るが、ツイートも画像編集も桑野さん自身がやっているという。「ア・クワマン」については、たまたま映画が8日公開だったため、ふと思い立って近所の水族館で撮影。箸ネタや、鈴の購入についても、自分でアイデアを出したのだそうだ。
(J-CASTニュース編集部 城戸譲)