「取り消しなさい!」「なぜ民主党という名前を...」 安倍氏VS岡田氏「悪夢」論争の泥仕合

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   安倍晋三首相が民主党政権を「悪夢のよう」だと表現したことをめぐり、2019年2月12日の衆院予算委員会で、民主党政権で外相などを歴任した岡田克也氏(立憲民主党会派)と激しい応酬が展開された。

   岡田氏は安倍氏の発言を「レッテル張り」だとして「取り消しなさい!」と求めたのに対して、安倍氏は「取り消しません」と拒否。安倍氏は逆に、民主党が採決の際に「アベ政治を許さない」と書かれたプラカードを持ち込んだことを非難。論戦は泥仕合の様相を呈した。

  • 国会論戦は泥仕合の様相を呈した
    国会論戦は泥仕合の様相を呈した
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「自民党の歴代政権の重荷」を主張

   安倍氏は2月10日に行われた自民党の党大会で、12年12月の下野について

「わが党の敗北によって政治は安定を失い、そしてあの悪夢のような民主党政権が誕生しました」

などと言及した。この発言には、民主党政権で官房長官などを務めた立憲民主党の枝野幸男代表が2月11日の党会合で

「あのとき利権を手放してしまった彼らにとっては、『悪夢のような』時期だったかもしれません」

   と述べるなど、反発も出ていた。枝野氏に続いたのが岡田氏だ。質問の冒頭、「民主党政権時代の反省」に言及する一方で、

「政党政治において、頭から相手を否定して議論が成り立つのか。私たちは政権時代に、その前の自民党の歴代政権の重荷も背負いながら、政権運営をやってきた。そのことを考えたら、あんな発言は出てこないはずだと私は思う」

として撤回を求めたのに対して、安倍氏は連日の国会審議に出席していることから、 「私は議論を受け入れていないわけではない」と主張。その上で、撤回を拒否した。

「私は自民党総裁としてそう考えている。そう考えているということを述べる自由は、まさに言論の自由。少なくともバラ色の民主党政権でなかったことは事実なんだろうなあ、こう言わざるを得ない」

「民主党というイメージが悪いから...」

   さらに安倍氏は、自民党は下野しても党名を変えなかったことと比較しながら、民主党が維新の党と合流して「民進党」に党名を変えたことをなじった。

「みなさん、悪夢でなかった、それを否定しろとおっしゃるんですが、ではなぜですね、民主党という名前を変えたんですか? 私はそれが非常に不思議だ。自民党という名前を変えようとは思わなかった。私たち自身が反省して生まれ変わらなければならないという大きな決意をしたんです。別に名前のせいで負けたわけではないんですよ。皆さんは民主党というイメージが悪いから名前を変えられたんだろうと、推測する人はたくさんいますよ?そういう意味では、みなさんそう思っておられるんじゃないですか?」

   こういった発言に岡田氏は

「一方的に民主党政権にレッテル張りしてますけれども、あなたたちがやったことで、私たちも苦しんだこともある。そういったことについて、総理ですから、謙虚な気持ちで発言してもらいたいと思うんです。今の発言、まったく了解できませんよ!取り消しなさい!」

などと激高。安倍氏は「取り消しなさいと言われても、取り消しません。それは明確にさせていただきたいと思います」と反論した。

「アベ政権を許さない」とどっちが悪い?

   岡田氏は

「批判するなと言ってるんじゃなくて、全否定したようなレッテル張りはやめろと言ってるんです」

とも訴えたが、安倍氏は15年の安保関連法案の審議を念頭に、

「全否定するなとおっしゃいますが、みなさん採決の時に、『アベ政治を許さない』と全否定してプラカードをみんなで持ったのは、どこの党のみなさんですか?名前が変わったら、それがもうなくなったということになるんですか?」

とやり返した。

   岡田氏はプラカードをめぐる議論には直接反論せずに

「民主主義は、お互いに相手を全否定しては成り立たない。だから私はこれからも議論をする。だけど、総理の党大会における言い方は、ほぼ全否定に近いような言い方。それでは私は、議論は深まらないし、民主主義がどんどんおかしくなってしまう。そのことを申し上げておきたい」

と収め、話題を北方領土関連に移した。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

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