日本クラシックカー協会が東京・台場の青海臨時駐車場特設会場で毎年1月に開いていたクラシックカーの祭典「ニューイヤーミーティング」が、42年の歴史に幕を閉じた。同協会のニューイヤーミーティングは日本のクラシックカーイベントとしては最大級で、多くのファンに親しまれてきたが、突然の中止の真相は明らかにされていない。
2019年1月27日、同協会の岡政由代表はイベントの閉会あいさつで「ここで一旦、幕を閉じることになるが、またどこかでみなさんと旧車のイベントでお会いしたい」と述べるにとどまった。
別イベントは「暴走・騒音」で終了に追い込まれる
関係者によると、会場となるお台場の特設会場が東京五輪の影響で閉鎖になるというのが表向きの理由だが、会場周辺でイベントとは関係のない違法改造車の暴走など迷惑行為があり、近隣住民の不評を買ったことも影響しているようだ。
同じお台場の特設会場では、自動車関連の老舗出版社・八重洲出版が毎年秋に「お台場旧車天国」というクラシックカーイベントを開いていたが、こちらも2018年11月の前回イベントで突然、中止となった。八重洲出版と「お台場旧車天国実行委員会」は「かねてより会場周辺での暴走・騒音行為などの迷惑行為が散見されており、住民より苦情が寄せられていました。所管警察と連携し、警備・取締りに当たったのですが、迷惑行為の撲滅までに至りませんでした。主催者として、住民への配慮が必要という理由により、所管警察と協議した結果、開催中止を判断しました」と明らかにしている。
日本クラシックカー協会の「ニューイヤーミーティング」と八重洲出版の「お台場旧車天国」は、「スバル360」など日本のモータリゼーションを支えた国産大衆車から、ポルシェ、ロータスなど欧州の高級スポーツカーまで、1950年代から1970年代を中心に幅広いクラシックカーが一堂に会す貴重なイベントだった。展示車両はアマチュアのオーナーが所有する動態保存車が基本で、自走してくる車両も珍しくない。
昔懐かしいクルマと再会し、エキゾーストノート(エンジン音と排気音)を聞いたり、排ガスの匂いをかいだりするのは、見る者に当時の記憶を呼び戻す。まるで、そのクルマが走っていた1960年代や1970年代にタイムスリップしたような気持ちになるから不思議だ。