自らの主張を織り交ぜながら質問
官房長官会見の質問では、事実関係や見解を確認するにとどめる記者が大半だが、望月記者は自らの主張を織り交ぜながら質問するのが特徴だ。1月17日午後の会見では、
「政府はなぜ、目で見て分かる赤土の問題を認められないのか」
「適法な手続きでやっているのであれば、正々堂々と、県が要求している調査を受けるべきではないのか」
などと主張。菅氏は
「法的に基づいて行っています。防衛局に聞いてください」
「正々堂々、法律に基づいて行っているという報告を受けている」
とのみ応じた。
1月18日午前の会見では、県民投票をめぐり
「5市の投票不参加は、法の下の平等に違反するが、若者がハンストで抗議の意を示さざるを得なくなっている。この状況について政府の認識をお聞かせください」
などとして、投票不参加が違憲だと断定した上で質問。菅氏の答えは、「その方に聞いてください」と、まったくかみ合わないものだった。
これ以外にも、同種類の質問であっても望月記者の質問だと答えない、と疑われる場面もあった。1月8日午前の会見では、埋め立て海域にあるサンゴの移設問題で、望月記者が
「報道では、埋め立て海域全体では7万4000群体の移植が必要だが、移植が終わったのは別海域の沖縄浜サンゴの9群体にとどまる、としている」
などと政府の見解を改めて求めたのに対して、菅氏は
「『報道によれば』に答えることは、政府としてはいたしません。どうぞ報道に問い合わせをしてほしいと思います」
と切り捨てた。だが、1月17日午後の会見で、時事通信の記者が
「厚生労働省の事務次官を処分する方向で検討している、という一部報道がありますが、事実関係をお願いできますでしょうか」
と事実確認を求めると、菅氏は
「現時点において、報道のような処分を決定したという事実はありません」
と答えた。