回転寿司チェーン「くら寿司」のアルバイト店員がゴミ箱に捨てた魚の切り身をまな板に戻す様子の動画がツイッター上に投稿され、くら寿司側がサイト上で「不適切」だったとして謝罪した。
数日前には、他の外食チェーンでバイトの悪ふざけ動画が騒ぎになったばかり。ネット上では、こうした不祥事を防ぐためにも厳しい対応を求める声が相次いでいる。
ゴミ箱に捨てたハマチの切り身をまな板に戻す
「これを、では...」。マスクにゴム手袋をした青い帽子の若い男性店員が、まな板に置いたハマチの切り身を包丁で2つに切る。そして、「これを、もう捨てます」と言って、近くのごみ箱にポンと投げ捨てる。
この行為に、他の男性の声で「しょうがねえ、しょうがねえ」と笑う声が聞こえた。しかし、捨てた店員は、ごみ箱に両手を突っ込み、切り身を取り出して、まな板に再び戻していた。
この13秒ほどの動画は、2019年2月4日ごろにツイッター上に投稿された。店内でスマホなどを使って撮影されたらしい。その後、ほかのアカウントに転載されて拡散し、1万件以上もリツイートされる騒ぎになった。
動画を載せたツイッターアカウントはすぐに削除されたが、その内容から店員の名前なども特定され、くら寿司側に問い合わせる動きも相次いだ。
これに対し、くら寿司を運営する「くらコーポレーション」は2月6日、サイト上に「当社従業員による不適切な行為とお詫びについて」と題する文書をアップした。
そこでは、大阪府内の守口店の店内で、アルバイト店員が「不適切な行為を行った」と認め、「大変不快で不安な思いをさせてしまいました」と謝罪した。
「損害賠償をしっかり請求したほうがいい」
関与したアルバイト店員らに詳しい状況の確認を行ったところ、ハマチの切り身は、その場で廃棄処分して客には提供されていないことを確認したという。他の外食で不祥事が起きたばかりのタイミングだったが、「類似の事故が様々なチェーン店で多発しており、当社も日頃からその対応を懸命に行っておりましたが、力およばず同種の事件が起きてしまいました」と説明した。
そのうえで、再発防止に取り組むとともに、事態を重く受け止めて「法的に厳粛な対応」を進めるとしている。
くら寿司の不祥事について、ネット上では、「バイト任せで回しているからだと思う」「食中毒に直結する食料品を扱っている意識が欠如している」と批判が出た。悪ふざけした店員に対しては、「この人1人のせいでくら寿司にマイナスイメージが...」「損害賠償をしっかり請求したほうがいい」と厳しい声が相次いでいる。
くらコーポレーションの広報・宣伝部は2月6日、関与した店員について、J-CASTニュースの取材にこう話した。
「理由を聞いていますが、こんなことになると思っていなかったと、ショックで憔悴し切っています。アルバイトなどへの法的な対応の中身については、現在検討しているところです」
動画に映った後については、ほかの店員とともにまな板をアルコール消毒し、切り身を別のごみ箱に捨てたことを防犯カメラなどで確認しているという。守口店は、関係した備品を処分するなどしたといい、騒動後も営業を続けている。
動画の撮影者がツイッターに投稿したというが、店員か外部の人か確認中だと答えた。スマホで撮ったと聞いているとしたが、事務所を除き、食品衛生上から調理場やフロアでは持ち込みを禁止しているという。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)