夫が「ラブライブ!サンシャイン!!」に夢中で家のことをあまり考えてくれないとして、妊娠7か月の妊婦だという人物が、5ちゃんねる(2ちゃんねる)のスレッドに悩みを打ち明け、話題になっている。
離婚という単語が頭をよぎるほどだというのだが、こんなトラブルを抱える夫婦は多いのだろうか。
「子供の名前を推しの名前にしたいとか言われたら どうしよう」
「妊娠7カ月なのに夫がラブライバーでしょっちゅうファンミーティングだのバッジを買いに沼津に聖地巡礼だの行ってて正直ドン引きしている」
妊婦が愚痴を吐くために立てられた5ちゃんのスレでは、2019年1月29日、こんな書き出しで告白があった。
書き込みによると、妻は、フルタイムで働いており、妊娠が安定期に入ったので夫とどこかに行きたい。土日にやっと休みが取れたが、夫は、ラブライブのライブに泊りがけで行くという。妻は、腹が立って、京都に1人旅をした。5月に出産予定なのに、夫は6月もライブに行くと言い出し、「心のどこかがパキンて音を立てた。ラブライブ離婚という単語が頭をよぎる」と打ち明けている。
夫の部屋は、ぬいぐるみやフィギュア、CDなどラブライブ関連のグッズで埋まっているといい、妊娠前からラブライブの映画鑑賞などに付き合わされた。土日も、ラブライブの曲をかけ、携帯ゲームざんまいだとし、「子供の名前を推しの名前にしたいとか言われたら どうしよう」と困惑した様子だ。
妻は、「一緒にベビー用品のカタログ見たりしたかったよ」「温泉旅館で美味しいもの食べたり綺麗な景色観たかったよ、さみしいよ」と訴え、どうしたら夫の目が醒めるかと問いかけている。
この書き込みがツイッター上で2月4日に紹介されると、5日夕現在で2万件以上もリツイートされ、様々な意見が寄せられた。
離婚に詳しい弁護士に聞くと...
夫にブチ切れた妻への同情は多く、「凄く分かるよコレ」「この夫、夫としての自覚あるのかなぁ」「出産前の奥様ほったらかしはあかんでしょう」「ある程度自分の趣味を我慢するべきだ」といった声が出た。
一方、「ラブライブのせいじゃない」「やっぱり夫の人間性だと思うぞ?」とアニメを擁護する声が上がったほか、妻に対しても、「結婚前に見抜けなかったんだろか」「嫌なものは嫌とはっきり言った方が良い」といった指摘が出ていた。
オタク趣味で夫婦間のトラブルになったケースについて、離婚事情に詳しい海津諭弁護士は2月5日、「あまり聞いたことがありませんね」とJ-CASTニュースの取材に答えた。そのうえで、こうしたケースで離婚するのはハードルが高いと指摘した。
民法770条1項5号で、離婚できる条件として、「婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」とある。結婚相手が離婚に同意しない場合、最終的には裁判で決着することになるが、ラブライブのような趣味について、海津氏は、「『重大な事由』に当たるかどうかは、微妙ですね。相手が頑なに離婚を拒否すると、よほど程度が酷くなければ難しいと思います」と言う。
「例えば、家庭の収支が悪く生活が圧迫されている、相手が借金をしてまで注ぎ込んでいる、大事なときに無理矢理イベントに行っている、などが判断の要素になります。不貞や暴力に比べて程度が明確でないので、グッズが部屋にあふれている写真を撮る、いつ何に出費したかメモを残すなど、いかに酷いか証拠を取ることが大事でしょう」
また、別居が数年続けば、『重大な事由』になる可能性が高まるといい、「5年が目安になるでしょう」と話す。
こうしたトラブルを避けるためのアドバイスとして、海津氏は、こう話す。
「離婚の手続きはけっこう大変ですので、結婚する前に相手をしっかり見極める必要があります。結婚後は、趣味にいくらぐらい使うか、イベントに行く回数はどうするか、などを夫婦でまずは話し合うべきでしょうね」
(J-CASTニュース編集部 野口博之)