「南野選手と競っていく存在になってほしい」
アジア杯での問題点として指摘が多いのは、4-2-3-1の1トップを務めるFW(フォワード)大迫勇也が厳しくマークされたために攻撃が停滞したことだ。現在の代表は大迫がボールをもらったところからチャンスが生まれるシーンが多い。アジア杯の日本代表は、大迫が出場したトルクメニスタン戦で3得点(うち1点はPK)、イラン戦でも3得点(同)をあげたが、決勝トーナメント進出を決めてサブ組で挑んだウズベキスタン戦は2得点、そして大迫がケガで不在のオマーン戦、サウジアラビア戦、ベトナム戦はいずれも1得点どまり。この3試合の3点中2点はPKだった。
香川に対しては「代表復帰すれば堂安や原口はもっとパフォーマンス上がる気がする」といった声もある。MF堂安律は右サイド、MF原口元気は左サイドだが、2人の間にあたるトップ下に香川が入ることで、周りを生かすプレーに期待が集まっている。
ロシアW杯でトップ下のスタメンだった香川は、トップの大迫、左のMF乾貴士、右の原口、さらにボランチのMF柴崎岳らを生かすための「スペースの演出」に余念がなかった。実際、たとえばベルギー戦の乾のミドルシュートによるゴールは、香川の動きからコースが作り出されたといって過言ではない。当時、W杯出場全選手を採点した英紙「ガーディアン」の記事では、ベスト16進出チームの選手のうち香川が3位タイの高評価を得ていた。
香川はまだ新天地で1試合しか出場していないうえ、アンタルヤスポルがベシクタシュより実力で劣るため、この結果で全てを評価することは難しい。また、もし代表に戻るとすれば、アジア杯決勝で唯一ゴールをあげ、攻撃の中核を担うMF南野拓実とポジション争いをすることになる。それでも「アジア杯で課題になったトップ下、セカンドトップのポジション、南野選手と競っていく存在になってほしい」との競争を望む声がツイッターであがっている。