アイゼンで偶然切れた可能性
そんな中で、ほかの登山関係者らからは、登山用アイゼンで凍ったテープスリングを踏みつけると同様な切れ目ができてしまうとの指摘がいくつか寄せられた。
これについて、ガイドの男性もフェイスブックで追記して、その可能性も高いと同意した。立ち木に巻かれたスリングが雪に埋もれているときに踏まれた可能性もあるという。スリングについては、すでに回収したとも報告した。
このガイドは1月31日、J-CASTニュースの取材に対し、次のように話した。
「アイゼンで偶然切れてしまった可能性が高いと思います。鷲や鷹は有り得ないでしょう。イタチやテン、ネズミなどが噛んで切れた跡でもないと思います。鋭利なもので切れたように思います」
アイゼンで誤って切ってしまったとして、今後登山者が気を付けるべきことについては、こう言う。
「残置スリングについては、基本的に使うかどうかは各自の判断です。使用する際は状態や強度を入念に確認すること。使用に耐えうると判断できれば使うことに何ら問題ないように考えます。ただし、厳密により確実な方法を選ぶとしたら自分で新たに設置して使う方が良いでしょう。新たに設置した場合、古い残置はその都度、撤去するように皆が心掛けるのが良いと思います。できる限り残置は避けるべきでしょう。山にゴミを残すことになりますし、景観的にも良くありません。ただし、懸垂下降する場合は使わざるを得ないことが多いです」
(J-CASTニュース編集部 野口博之)