「水を電気分解」「電気で分子集団を小さく」作り方は様々
ただ、水にはそもそも電子が存在するだけに、「普通の水でも潤いとツヤを与えますが何が違う」といった疑問が相次いでいる。
番組で取り上げられた、電子水を使った製品を販売しているメーカー公式サイトを見ると、電子水とは、アルカリ性の水で、表面張力が低いために精製水の約100倍の速さで肌に浸透するという。製品紹介では、「イオンの力でお肌に素早く浸透し、潤いを与える化粧水」とあった。
この化粧水は成分として、水のほかは、化粧水などによく使われるグリセリン、アスコルビルリン酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウムだとしている。サイト上では、専門家の名前をアドバイザーに挙げていた。
普通の水とどこが違うのかについて、メーカー側は1月30日、J-CASTニュースの取材に対し、次のように説明した。
「電子水は、委託先から供給を受けており、水を電気分解して作ったものだと聞いています。有効的に働く成分として研究機関で独自に検証してもらいました。しかし、薬事法に触れるような効果をうたっているわけではありません」
放送後は、問い合わせがかなり増えたとした。
電子水については、ネット上で検索すると、様々なメーカーの様々な商品が出てくる。アマゾンや楽天などの通販サイトでも、化粧水からミネラルウォーター、生成器、書籍などまであった。
作り方としては、電気分解ではないとするメーカーも多い。ある別のメーカーは、「電気を通して、分子を回転させ、分子集団を小さくして作ります」と取材に答えた。
国民生活センターに30日に取材したところ、電子水について、「効果があるのか」「皮膚トラブルになった」といった相談は、これまでの10年間で寄せられていないという。過去に調査したり公表したりしたこともなく、調べる予定も今のところないとしている。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)