PayPay効果で一時上昇も...
さらに同じ1月10日にビックカメラが発表した、書き入れ時である12月の全店売上高(コジマ除く)は前年同月比23.4%増と好調だった。「PayPay」の100億円還元キャンペーンが押し上げたとビックカメラは分析している。このキャンペーンはスマートフォンによるキャッシュレス決済を提供するペイペイによるもので、商品を購入した代金の20%を還元する仕組みで話題を呼んだ。これらの発表を市場は好感し、1月11日のビックカメラの株価は反発し一時、前日終値比3.1%(45円)高の1477円まで上昇した。
しかし、この日の株価反発は下落基調の中での一時的なあだ花となった格好で、22、23、24日には3日連続で昨年来安値更新となった。その後やや持ち直してはいるが、相変わらず1300円を割り込む水準だ。
これという悪材料が直前に出てきたわけではないが、外国為替市場で1ドル=110円を突破する円高が定着しつつあることで、「訪日外国人の消費意欲が弱まる」という警戒感が高まったのが一因のようだ。
ただ、1月11日配信の野村証券のリポートが「2019年8月期はネット通販とコジマの成長で業績拡大を見込む」としたうえで「消費増税後の反動減は東京オリンピックの特需で相殺されるだろう」と指摘するように、不透明感のみに覆われているわけではない。着実な業績改善を示すことで株価反転につながるとの見方は市場の一部にある。