高野山真言宗の総本山である金剛峯寺の僧侶が、ツイッター上で韓国へのヘイトスピーチと取れる投稿をし、金剛峯寺が公式サイト上で謝罪した。
僧侶は「韓国人 3人寄れば ドクズかな」などと投稿し、物議を醸していた。その後アカウントの説明文などから、金剛峯寺の男性の僧侶の名前が浮上。金剛峯寺は公式サイト上で、「心傷ついた皆様に、衷心よりお詫び申し上げます」とする文書を掲載した。
「心傷ついた皆様に、衷心よりお詫び申し上げます」
問題の投稿は2019年1月11日になされ、「韓国人って個人で付き合うには気のいい奴ばっかなんですよね、そこに国とか組織が絡むと急にめんどくさくなる。『韓国人 3人寄れば ドクズかな』」と書かれていた。
プロフィールの顔写真や、アカウント説明文の「鎮護国家を祈願する宗派の坊主」「海外留学ののちに某総本山寺院で広報・機関紙の編集してます」といった記述から、金剛峯寺の男性僧侶の名前が取り沙汰された。29日ごろから投稿内容と僧侶の名前がツイッター上で拡散され、物議を醸していた。
J-CASTニュースが30日昼、金剛峯寺に事実確認を求めると、担当者はツイッター上の事態は把握しているとしたうえで、「投稿とアカウントが当人のものかどうかは確認中」と話した。
その後、金剛峯寺は同日中に、公式サイトで「高野山真言宗僧侶によるヘイトスピーチに関するお詫び」と題する文書を添田隆昭・宗務総長の名義で掲載。以下のように謝罪した。
人権啓発が「全く不十分であった」
「この度、インターネット上において高野山真言宗に所属する僧侶がヘイトスピーチを行っていた事実を確認いたしました。このようなことについて、高野山真言宗として遺憾の意を表し、心傷ついた皆様に、衷心よりお詫び申し上げます」
その上で、「高野山真言宗は、人間の平等、平和な社会の実現に向けて『生かせいのち』の教えの基に人権啓発活動を行ってきました。しかし、それが全く不十分であったことを深く反省し、今後再び同様の事態が生じることのないよう、人権意識の高揚に尽力して参ります」と表明している。
金剛峯寺はJ-CASTニュースの再度の取材に対し、この文書の内容が上記の投稿についてのものであることを認めた上で、それ以上の内容については「文書に記載したことが全てです」と話した。この僧侶に対する指導や処分を検討しているかについては、「まだ事実確認をした段階であり、(僧侶への対応がどうなるかは)分からない」とのことだった。