作家の橋本治さんが2019年1月29日に肺炎のため死去したと、30日に各社が報じた。70歳だった。
昨年も著書2冊...執筆衰えず
東京大学在学中の68年、東大駒場祭のポスター「とめてくれるな おっかさん 背中のいちょうが泣いている」で注目される。イラストレーターを経て77年に小説『桃尻娘』でデビュー、女子高生の一人語りの文体が話題となり、テレビドラマや映画にもなった。
その後、『桃尻語訳枕草子』、『窯変源氏物語』など古典の斬新な現代語訳を発表、話題を集めた。昨年(2018年)も『九十八歳になった私』、『草薙の剣』(野間文芸賞)と2冊の小説を出すなど旺盛に執筆活動を続けていた。
シニカルな独特の視点による社会、時事問題についての評論も多く、2017年には『知性の転覆』で、反知性主義の横行、トランプ現象などについて批判を展開していた。 都立豊多摩高校(旧府立十三中)出身。谷川俊太郎、宮崎駿、イッセー尾形らとともに同校が生んだ異才の一人と称されていた。