右も左も批判的見解
今回の決定過程での全特の圧力についても、産経が「限度額の見直しは自民党が求めてきたことでもある。来年の統一地方選や参院選をにらんだ思惑が先行する面はなかったか」、読売(2019年1月28日)が「全国郵便局長会の支持を受ける自民党は、大幅な引き上げを求めていた。今回の決着には政治的な事情も影響したのではないか。」、毎日も「限度額の撤廃を強く要望してきた団体がある。自民党の支援組織である全国郵便局長会だ。......今年は春に統一地方選、夏に参院選が予定されるが、限度額引き上げと無縁ではなかろう」と、書き、日ごろの安倍政権への距離感の違いが目立つだけに、ゆうちょの限度額問題に限っては「呉越同舟」の観がある。
郵政民営化がなかなか進んでいないことにも、「ゆうちょ銀が目指すべきは、スムーズな完全民営化であり、そのためにはむしろ規模を段階的に縮小していく方が望ましい」(毎日)、「民営化をどう進展させるのか。点検が不可欠だ」(朝日)、「株式売却の時期など停滞する民営化プロセスの再始動を改めて議論することが必要だ」(日経)、「日本郵政の出資比率が50%以下になれば、新規業務は届け出制になり、経営の自由度が高まる。......ゆうちょ銀行株の売却を着実に進めるべきだ」(読売)と、真剣な取り組みを求める点で、各紙、共通している。