「ブランド価値の毀損となることも懸念」
フローティングペンは、透明なグリップ部分にオイルを入れ、絵柄などを浮かべたもので、ペンを傾けると内部の絵柄が6秒ほどかけて動く機構をもつ。インクが切れても楽しめるペンとしてコレクターも少なくない。その世界的メーカーが1946年にデンマークで創業したエスケセンで、「MADE IN DENMARK」の文字と同社ロゴマークを組み合わせた刻印は、ブランド価値を担保する要素となっている。
そして、エスケセン製品の日本の正規輸入元がレトロバンクである。国内でも著名人や人気キャラクターのグッズ、企業のノベルティーとして多数作られている。コラボの例としては、芸術家の草間彌生さん、シンガーソングライターの小田和正さん、「リラックマ」など枚挙に暇がない。
レトロバンクの担当者は19年1月17日、J-CASTニュースの取材に「エスケセン社から本件についての対応を委任されております。この件については昨年よりデコレーションズ様へ対応のお願いをしておりまして、現在は弁護士を通してお話をさせていただいており、法的措置についても弁護士と協議中です」と現状を明かす。その上で、今回ウェブサイトで注意喚起することにしたのは、
「不良品(虫混入や油漏れなど)のお問い合わせが弊社にあり、この商品がエスケセン社の商品であると誤解されてしまうとブランド価値の毀損となることも懸念しているためです」
と説明。ロゴマークの刻印について、
「デンマークエスケセン社の工場で作ったという正規品の証です。この刻印はこの商品の非常に重要な部分で、有名アーティストさんや企業様はこの正規品か否かを見分けるエスケセンロゴマークが入ることを含めて重要な部分であり、ブランド価値としてOEM製品に採用して下さっております」
と重要性を指摘した。
上記のデコレーションズの発表内容に対しては、
「『オリジナル』という表現を使っておられる件ですが、この商品はエスケセン社のオリジナルマークを使用し、形や寸法が一致します。そのような発表をされてしまいますと、消費者の皆様に更なる混乱や誤解を生じさせるものでありますので極めて遺憾です」
と見解を述べる。「弊社でも今回の件はとても残念で、諸々の事に大変困惑しております」という。