日本球界にマウンドのメジャー化が広がりを見せている。巨人のホームである東京ドームのマウンドが今季からメジャー仕様の硬質なタイプに変更されると、2019年1月28日付けのスポーツ報知が報じた。原辰徳監督(60)の強い意向を受けてのものとされるが、甲子園、マツダスタジアム、ナゴヤドームなどでも同様の動きが見られ、マウンドのメジャー化が進んでいる。
日本のマウンドとメジャーのマウンドの大きな差異は、使用される土にある。メジャーのマウンドは日本と比べ、硬質の土が使用されている。マウンドが硬いこともあり、メジャーの投手には上半身の力に頼って投げるスタイルが多く見られる。一方、日本の投手は、軟らかなマウンドの性質を利用し、軸足に体重を乗せ、下半身で粘って投げるスタイルが理想とされる。
元メジャー投手が嫌う日本のマウンド その理由は?
メジャー仕様のマウンドの変更は、野球の国際化に伴うものだが、そこにはメリット、デメリットの2つの側面がある。メリットでいえば、米国から移籍してきた日米の投手にとっては、慣れ親しんだマウンドは投げやすいものになる。また将来的にメジャーを目指す若い選手にとってもメリットは大きいだろう。
メジャー仕様のマウンドの恩恵を受けることになりそうなのが、中継ぎ、リリーフ陣だ。日本のマウンドは軟らかいため、投手が足を踏み込んだ際に穴が開きやすい。先発の後を継ぐ投手にとって、この穴は大きな障害で、特にメジャーリーグを経験したリリーフ投手には不評の的だった。硬質のマウンドでは、金具のスパイクで削っても穴が出来ることはほとんどないため、自身の歩幅にあった投球が可能となる。
その一方で、考えられるデメリットは少なくない。最も危惧されるのが、硬質マウンドによる投手の故障である。これまで通り、下半身で粘りの投球をすれば、膝、腰に大きな負担がかかり、故障の原因につながりかねない。また、スパイクの金具が滑った場合の故障も懸念される。メジャーの投手のように上半身の力で投げようとすれば、肩や肘に負担がかかり、実際、日本からメジャーに移籍した投手で、メジャーの硬いマウンドに対応できず、故障した選手もいる。
「結局日本は野球とベースボールのどっちをやりたいのかね」
このようなマウンドのメジャー仕様にネット上では選手の故障を不安視する声が多数寄せられている。
「世界に通用するピッチャーを育てる前に怪我人続出なんてならないでね」 「固ければ足への負担は軽減されるけど、その分上半身へのしわ寄せが来るんではないでしょうかね。」
「怪我も怖ければコントロールも狂いそうで怖い。」
「結局日本は野球とベースボールのどっちをやりたいのかね」
巨人は3月のオープン戦からメジャー仕様を導入する見込みだが、その他の球団はキャンプでの反響を見てから判断を下す方向。巨人では、メジャー帰りの上原浩治投手(43)や岩隈久志投手(37)らが恩恵を受けることになりそうだが、一方では故障のリスクをはらんでおり、危険なカケになりそうだ。