2020年いっぱいでの活動休止を発表した「嵐」だが、リーダーの大野智さんは過去にも、グループからの「脱退」を考えていたことをテレビ番組で明かしている。
「僕は自分が『嵐』であることに、悩んだことがありました」――そう大野さんが吐露したのは、2014年11月にNHKで放映された特番「嵐 15年目の告白~LIVE&DOCUMENT~」の中でのことだ。
「自由になりたい」との思いが募り
1999年に結成された嵐の15周年を記念して製作されたこの特番では、メンバー同士がこれまでの活動の中で抱えていた思いなどをお互いに語り合う場面があった。
その中でも当時注目を集めたのが、大野さんの「脱退」発言だ。
「2006年ぐらいから、正直『(事務所を)やめよう』と思った」
こう語りだした大野さんに、ほかの4人は戸惑ったような表情を見せる。その理由として大野さんが語ったのは、「この仕事をしていたら、できないことに興味を持ち始めちゃった」。たとえば長期の休みを取り、海外を放浪するといったこともそうだが、「単純に自由になりたいみたいな感じ。その気持ちがずっと起きて......」。
そうした気持ちを抱えたまま、4人と活動することが「申し訳ない」という思いから、「ずっと葛藤してた。ずっと」という大野さんの口調は、真剣そのものだ。この葛藤は2009年ごろまで続いたが、結成10周年を「尋常じゃないくらい祝っていただいた」中で、ようやく「我に返った」という。
2006年~09年といえば、初となるアジアツアーを挙行(06年)、さらに現在まで続く冠番組「VS嵐」(フジテレビ系)がスタートし(08年)、NHK紅白歌合戦にも初出場を果たすなど(09年)、その活躍の場が急速に拡大し、現在のような国民的アイドルの地位へと大きく前進したタイミングだ。そんな時期に、3年近くにわたり、リーダーの大野さんが「脱退」を思い悩んでいた――。
相葉の言葉は、今回の休止宣言と「同じ」だった
2019年1月27日、活動休止にあたって発表された声明文によれば、今回の活動休止は、やはり大野さんが2017年6月に、「自分の嵐としての活動は終えたい」と4人に切り出したことによるという。ここでも、大野さんが述べたのは、「一度何事にも縛られず、自由な生活がしてみたい」との思いだった。
番組に戻る。「告白」を終えた大野さんに、櫻井翔さんは「2006年の段階であなたが抜けちゃったら、今の(嵐の)感じもないでしょ、たぶん」とフォローする。それに答える形で相葉雅紀さんも、
「ないね。1人欠けたら、もうなんか違うね。やってけないし、やりたくない」
今回、休止に当たっての声明でも、「5人で嵐だという気持ちが強い為、1人でも2人でも欠けてしまっては嵐と名乗ってグループ活動をするのは難しいと思いました」と相葉さんはコメントしている。5年前、大野さんにかけた言葉と、ほぼ同内容だ。