オリンパスはなぜ、「物言う株主」を取締役に迎え入れたか

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「再建」いよいよ実行のタイミング

   オリンパスのここ数年の最優先課題がガバナンス改革であることは間違いない。1990年代の財テク失敗で抱えた損失を隠し、それをM&Aに紛れ込ませて粉飾処理した事件が2011年に発覚。事実関係を調査した英国人社長を日本人会長が解任するなど経営は大混乱した。株価が短期間で急落しただけでなく、日本企業に対するガバナンス不信を招いた。

   事件を受け、2012年に急きょ登板したのが笹宏行社長だ。笹氏は内部管理体制、品質管理部門などを強化し、再建に取り組んだ。そして今回、「グローバル・メディカル・テクノロジー(メドテック)カンパニーへの飛躍」をスローガンにした新たな経営計画を策定。5人の執行責任者がグローバルで統括する体制の導入や、5事業部門から2事業部門への医療事業の再編成、指名委員会等設置会社への移行、新たな取締役の選任などを打ち出した。その計画を実行していくリーダーに選ばれたのが竹内氏であり、そのためにあえて「物言う株主」を迎え入れたわけだ。

   11日に計画が発表されるとオリンパスの株価は急伸。翌営業日の15日にはストップ高を記録するなど2日間の上げ幅は1000円を超え、4700円台を付けた。バリューアクトに対する投資家の期待の高さを示したといえる。

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