千葉大学は、原則として学生全員に海外留学を必修化すると発表し、ネット上では、「お金のない学生はどうするのか」といった疑問も出ている。
学費が安くて国立大学を選ぶ人も多いのに「なぜ?」というわけだ。千葉大学に、このことへの対応を聞いてみた。
「学生のうちに海外経験するのは悪くない」の声も出たが...
「あえて留学を必修化することでグローバル化の旗印にしたい。これから入学する学生にも選んでもらえる大学にしていきたい」。報道によると、徳久剛史学長は、2019年1月24日の記者会見でその意義を強調した。
大学の発表や報道によると、千葉大では、2020年度から学部・大学院の全入学者を対象に、原則として1回、1週間から2か月までの期間で海外留学に行ってもらう。留学必修化は、国立の総合大学では初めてだという。
必修化では、海外留学プログラムを拡充し、留学を支援する担当の教職員も配置する。16年度に新設した国際教養学部ですでに実施しており、その成果を見て全学での導入に踏み切った。
費用面については、留学先の授業料は大学が負担する。渡航や滞在などの費用については、留学奨学金の給付などで一部をまかないたいとしている。ただ、必要な財源を確保するため、20年度以降の授業料値上げを検討するとも報じられている。
千葉大の発表が25日になって各メディアで伝えられると、ツイッター上などでは、留学必修化について様々な意見が投稿された。
「学生のうちに海外経験するのは悪くない」「とてもいい取り組みだと思う」「お金ないなら、海外留学のない大学に行けばいい」と好意的な書き込みもあったが、厳しい声も相次いでいる。
「アジア圏を選んでもらい、奨学金も活用したい」
「たった二ヶ月では語学研修くらいの事しか出来ない」といった指摘のほか、特に、留学費用が工面できない学生はどうするのかという疑問が多かった。
「お金がないから国立を選んだ苦学生には逆に負担にならないか」
「費用が工面できないから留学しなかった人はどうなるのだろう?」
「授業料を値上げしてまでやることなのか」
「『育ちのいい子だけを選抜』出来ますねえ...」
千葉大の広報室は1月25日、一人当たりの自費負担について、「留学先や期間によりけりで一概に言えない」としながらも、負担軽減に取り組みたいと取材に話した。
「台湾やタイ、韓国などのアジア圏を選んでもらうなど、学生に負担が生じないように努めます。アジア圏なら、2週間で約16万円の費用がかかる試算もありますが、必ず1回は支給される大学の留学奨学金のほか、日本学生支援機構など外部機関の奨学金も組み合わせることなどを考えています」
(J-CASTニュース編集部 野口博之)