平成最後の「センバツ」(第91回選抜高校野球大会=3月23日開幕、甲子園)出場32校が2019年1月25日、発表された。
ともに史上初となる「春夏春3連覇」「春3連覇」を目指した大阪桐蔭は「近畿6枠」「21世紀枠」に望みを託したが、残念ながら落選となった。
主力の3年生が抜け...昨秋の近畿大会では8強止まり
大阪桐蔭といえば、野球ファンならずとも、説明する必要はないだろう。2018年には春、夏大会で全国大会を連覇。また、同年秋に行われプロ野球ドラフト会議では、
☆根尾昂(あきら)選手(中日1位)
☆藤原恭大(きょうた)選手(ロッテ1位)
☆横川凱(かい)選手(巨人4位)
☆柿木(かきぎ)蓮選手(日本ハム5位)
が指名された。同一高校から4選手が指名されるのは、2001年の日大三(東京)などと並んで、歴代最多となった。
高校野球以外でも、2018~2019年に行われた「全国高校ラグビー選手権」(東大阪市・花園ラグビー場)では、「大阪桐蔭―桐蔭学園(神奈川)」の「桐蔭対決」を制し、悲願の初優勝を飾った。
また吹奏楽部も、「全日本吹奏楽コンクール」で金賞受賞、その他のコンクールでも常時、上位に入賞するほどの実力。甲子園アルプススタンドの応援は、最新の楽曲を完璧に仕上げて演奏するなど、野球ファン以外の方でも楽しめる応援が魅力だ。
そんな「超」のつく有名校だが、昨秋の近畿大会準々決勝で、智弁和歌山に2-5で敗退。8強止まりとなってしまい、「春夏春3連覇」「春3連覇」という史上初の大偉業に「黄信号」がともってしまっていた。
優勝校特有の「不利」
「うちは(センバツは)無理でしょう...」。昨秋の敗戦後、常勝軍団を率いる西谷浩一監督も一部メディアに漏らしていたという。また、気持ちを切り替えるように「(敗戦を糧に)やり返す、という気持ちで1年間頑張ろうと、生徒には声をかけています」と今夏の「新元号初大会」に向かう意向を語っている。
実は、春と夏の間に潜む「高校野球の魔物」というものがある。夏の甲子園に出場しても、早々に負けてしまった高校は、センバツに向けての「新チーム作り」をすぐに始められる。しかし、準決勝、決勝、そして優勝...となると、祝賀会や関係各所へのあいさつ等で、必然的に新チームのスタートが遅れてしまう。つまり、夏の優勝校は、他校よりも2週間~1カ月ほど、新体制スタートが遅れてしまい、その状態から秋季地区大会に臨まなくてはならない...というわけだ。
もちろん、大阪桐蔭クラスの高校となれば、この事実は当てはまらないかもしれない。事実、これまでの先輩たちは、そういった苦難を乗り越えて来た。
残念ながら史上初の「春夏春」「春3連覇」は逃したが、ここからの巻き返しこそが、大阪桐蔭野球の真骨頂となるのではないか。