優勝校特有の「不利」
「うちは(センバツは)無理でしょう...」。昨秋の敗戦後、常勝軍団を率いる西谷浩一監督も一部メディアに漏らしていたという。また、気持ちを切り替えるように「(敗戦を糧に)やり返す、という気持ちで1年間頑張ろうと、生徒には声をかけています」と今夏の「新元号初大会」に向かう意向を語っている。
実は、春と夏の間に潜む「高校野球の魔物」というものがある。夏の甲子園に出場しても、早々に負けてしまった高校は、センバツに向けての「新チーム作り」をすぐに始められる。しかし、準決勝、決勝、そして優勝...となると、祝賀会や関係各所へのあいさつ等で、必然的に新チームのスタートが遅れてしまう。つまり、夏の優勝校は、他校よりも2週間~1カ月ほど、新体制スタートが遅れてしまい、その状態から秋季地区大会に臨まなくてはならない...というわけだ。
もちろん、大阪桐蔭クラスの高校となれば、この事実は当てはまらないかもしれない。事実、これまでの先輩たちは、そういった苦難を乗り越えて来た。
残念ながら史上初の「春夏春」「春3連覇」は逃したが、ここからの巻き返しこそが、大阪桐蔭野球の真骨頂となるのではないか。