「社長より『お前のやっていることは仕事でもない』『今すぐやめろ』と言われた」――。こんな捨て台詞を吐いて、突如、ある企業のツイッターアカウントが削除された。
他の企業アカウントから惜しむ声が相次いでいるが、どんな事情があったのか。
「明日は我が身です...。」
鳥取県の印刷会社「マルカゲ印刷」の公式アカウントが2019年1月24日、「お知らせです」として以下の投稿をした。
「社長より『お前のやっていることは仕事でもないし、ブログすべて無駄。すぐ製品を収めて入金してもらうことが仕事として正しいので、今すぐやめろ』と言われたので、ツイッターでの宣伝広報は今後いっさいしません」
"中の人"が待遇の不満をぶちまけた形で、その後アカウントが削除された。同アカウントは約2200フォロワーを集め、投稿は1万以上に上る。
突然の幕切れに、同じ立場である企業アカウントからは複雑な心境が多数漏れている。
「ちょっと衝撃すぎて戸惑っております...」(ドクターシーラボ)
「マルカゲさんを知ったのもツイッターだし、十分広報活動されていたと思います。ご無念お察し致します」(ネモト宝飾店)
「あらま(*´-`)明日は我が身です...。」(田中金属グループ)
運用者「大人げない行動だった」
マルカゲ印刷の営業担当者は25日、J-CASTニュースの取材に「担当者が冷静でいられず、感情的なツイートをしてしまった」と話す。
ツイッターは、できるだけ費用をかけずに宣伝ができないかと模索していた中で、有用な手段として目を付けた。そこで、通常業務と兼務して宣伝担当をしていた社員が担当となり、17年8月に登録した。
会社の認知度向上を目標にし、実際に「会社名を知りました」「こういう会社が鳥取県にある」との意見は頻繁にあったというが、「印刷の注文につながるかというとそうではなかった」(担当者)
認知度の測定も難しく、売り上げにつながるわけでもなかったため、会社の方針としてSNSでの宣伝活動はしないと決めた。
運用者は試行錯誤しながら運用してきた中でさまざまな思いがあり、先の投稿をしてしまった。本人は「大人げない行動だった」と反省しているという。
(J-CASTニュース編集部 谷本陵)