日米貿易交渉 トランプ政権が送り込む「実力者」にどこまで戦える?

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   来る日米貿易交渉は、日本にとって楽なものではなさそうだ。

   日本側は「物品貿易協定(TAG)」交渉だと強調するが、米国側は通信や金融などサービス分野も協議するほか、通貨安を誘導する為替政策を取れなくする「為替条項」などまで求める姿勢を鮮明にしている。米国の政府機関閉鎖の影響も含め、先行きは読めないが、トランプ政権に押し込まれる懸念はぬぐえない。

  • 米側の交渉を指揮するロバート・ライトハイザー氏(米農務省より)
    米側の交渉を指揮するロバート・ライトハイザー氏(米農務省より)
  • 米側の交渉を指揮するロバート・ライトハイザー氏(米農務省より)

自動車については「懸念消えない」

   安倍晋三首相が、サービスなども包括的に含む「自由貿易協定(FTA)交渉はしない」と「公約」してきた手前、日本としては、モノの貿易に絞ったTAGだと説明するが、米国が実質的なFTAを目指していることは、2018年12月21日に米通商代表部(USTR)が公表した「交渉目的」でも明らかだ。

   交渉目的は、貿易関連法で、貿易協議に入る30日前に米議会に通知するよう定められたもので、22項目を列挙。もちろん、まず重要視するのが「物品貿易」で、「対日貿易赤字の削減」を優先課題に掲げ、自動車、繊維、医薬品、通信機器などの品目を挙げ、輸入規制の見直しなどを要求している。

   具体的に、日本が警戒する自動車などの輸出への数量制限などには触れず、環境・安全基準など「非関税障壁の引き下げ」が目立つ程度だが、交渉を指揮するロバート・ライトハイザーUSTR代表は1990年代の日米交渉で数量制限で日本を押しまくり、2018年の韓国との交渉では鉄鋼の対米輸出を直近の7割に抑える厳しい数量制限を飲ませ、カナダ、メキシコとの北米自由貿易協定(NAFTA)見直しによる新たな「米・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」でも実質的に自動車の数量規制を盛り込んだ実績がある。このため、日本としても「数量規制は、特に自動車について、懸念は消えない」(通商関係者)。

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