テニスの全豪オープン第11日が2019年1月24日、オーストラリア・メルボルンで行われ、女子シングルス準決勝で、世界ランキング4位の大坂なおみ(21)=日清食品=が、同8位カロリナ・プリスコバ(26)=チェコ=を6―2、4―6、6―4で下し決勝進出を決めた。全豪で日本勢の決勝進出は初で、決勝では世界ランキング6位のペトラ・クビトバ(28)=チェコ=と対戦する。
大坂はこの日の勝利で、28日に発表される世界ランキングで2位以上が確定。決勝でクビトバに勝利すれば、世界ランキング1位となる。男女を通じて日本人で初めて世界の頂点に立とうとしている大坂だが、優勝すれば女子アスリート長者番付でも世界一となる可能性が出てきた。
2018年度の長者番付トップはテニスの元世界女王
全豪オープンの女子シングルスの優勝賞金は410万豪ドル(約3億500万円)。昨年9月の全米OPを制した大坂は、優勝賞金380万ドル(約4億2000万円)を獲得しており、続く東レパンパシフィックでは準優勝し約800万円の賞金を手にしている。全豪で優勝すれば、昨年9月以降の主だったツアー賞金だけで、7億3000万円近くの金額となる。
このツアー賞金に加え、日清食品、日産自動車、アディダスなど複数の企業とスポンサー契約を結んでおり、このスポンサー収入が年収に加算される。昨年の全米OP優勝後には、英国メディアが、アディダスが大坂と10億円近いスポンサー契約を結ぶと報道。全米OP優勝賞金、スポンサー収入に全豪優勝賞金が加算されると、20億円近くの収入が見込まれる。
米国の経済誌『フォーブス』は、世界のアスリートの年収ランキングを毎年6月に発表している。例年通りならば、2019年度のランキングは2018年6月から1年間の収入が反映される。2018年度の女性アスリート世界一は、テニスの元世界女王セリーナ・ウィリアムズ(37)=米国=の1810万ドル(約19億7000万円)だった。
錦織圭と田中将大、稼いでるのは...
女性アスリートのランキングでは、上位6位までがテニス選手で占められ、上位10人中8人がテニス選手である。これは女子のスポーツにおいてテニスの賞金が他を大きく上回っている事実があるが、ウィリアムズの場合、ツアーで獲得した賞金はわずか6万2000ドルで、収入のほとんどがスポンサー収入である。
2018年の男性アスリート世界一はボクシングのフロイド・メイウェザー・Jr(41)=米国=の2億8500万ドル。日本人の最高位はテニスの錦織圭(29)=日清食品=の35位(3460万ドル)で、MLBのヤンキース田中将大投手(30)が95位(2310万ドル)で続く。男性は、ボクシング、サッカー、野球、アメフト、バスケットなど高額な年俸を獲得できるスポーツが多く、トップ10には様々な競技の選手が顔を並べる。
日本テニス界初の世界ランキング1位、そして女性アスリート世界長者番付1位へ。大坂がかつてない記録尽くめの優勝に挑む。