女優の北川景子さん(32)が主演するドラマ「家売るオンナの逆襲」(日本テレビ系)の第3話が視聴者の間で話題だ。同ドラマは2016年7月期に放送された「家売るオンナ」の続編。難題を押し付けてくる顧客に、「私に売れない家はありません!」の決め台詞で次々と不動産を販売する、不動産会社のカリスマ営業担当者・三軒家万智を北川さんが演じる。
2019年1月23日に放送された第3話では、三軒家の同僚・足立(千葉雄大さん=29)が担当した女性2人組の客が同性愛カップルであると売り主に知られ、販売を拒否されるシーンや、トランスジェンダーの夫とその妻子が新居を探す場面などが放送された。加え、三軒家が「トランスジェンダーとは、生まれた時に割り当てられた性とは違う性を生きる人、あるいは生きたいと思う人を言います」と、同語について説明するシーンも併せて放送された。
コミカルさの中に包み込まれた社会性
ドラマ中では「13人に1人がLGBT」というセリフが飛び出すなど、近年LGBTは急速に注目が集まっている。作中だけでなく、現実世界でも不動産の販売拒否などの問題も指摘されるようになっている昨今だけに、放送を見た視聴者からは、「北川景子のセリフが見事だった!」などの声が続々。「政治家の皆さんもこの解説聞くべき!」と社会を啓発する内容だったとする指摘も上がった。
視聴者から称賛を浴びた第3回だったが、思い返せば同ドラマは第1回と第2回では、出演者の千葉さんと松田翔太さん(33)について、「2人の関係性がBL的だ!」など、その演出について驚く声が上がっていた。特に、第2回では「顎クイ」シーンがあるなどそのキャッチーさに目を奪われる視聴者も多く、「ストーリーより人間関係の方が気になる」との声も上がるほどだったが、第3話の展開を見ると、キャッチーさだけを追求しているかに見えた演出も、LGBT問題を扱うための地ならしにも見えてくる。
加え、第1話では熟年離婚の危機にある夫婦にあえて新居を勧めるシーンや、第2話ではネットカフェに長期滞在する人々を描くなど、「家売るオンナの逆襲」はそのキャッチーさやコミカルさを交えつつ、社会問題を鋭く描いてきた。このためか、第3回放送後には、
「家売る女がなかなか社会派なかんじになっとるなー」
「家売るオンナってコミカルで斬新だけど社会派ドラマだし時事的要素あるから本当毎回ためになる」
など、その社会性に心を打たれたとするツイートが目立った。
コミカルさを維持しつつ、「社会派街道」まっしぐらの同作から目が離せない。
(J-CASTニュース編集部 坂下朋永)