テニスの全豪オープン第10日が2019年1月23日、オーストラリア・メルボルンで行われ、女子シングルス準々決勝で、世界ランキング4位の大坂なおみ(21)=日清食品=が、同7位エリナ・スピトリナ(24)=ウクライナ=を6-4、6-1のストレートで下し、自身初となる全豪4強入りを決めた。28日発表の世界ランキングで3位以内に入ることが確定。今大会の結果次第ではアジア初の世界1位の可能性も出てきた。
わずか72分で世界7位をあっけなく下した。第1セットはスピトリナに2つのブレークを許しプレーに安定感を欠いたが、続く第2セットは圧巻の内容だった。立ち上がりから5ゲームを連取し、第6ゲームこそ譲ったが最後は渾身のエース。日本勢として1994年の伊達公子以来25年ぶりの全豪4強進出を果たした。
「(大坂は)全豪での経験はセリーナほどない」
注目の準決勝の相手は、世界ランク8位のカロリナ・プリスコバ(26)=チェコ=となる。プリスコバは準々決勝で元女王セリーナ・ウィリアムズ(37)=米国=を破って勝ち上がってきた強豪。昨年9月に日本で行われた東レパンパシフィック決勝で大坂はプリスコバに敗れており、凱旋Vを阻止された因縁の相手だ。
東レパンパシフィックで得た自信からか、プリスコバは大坂との対戦に強気一辺倒で「彼女は全米ではとてもいいプレーをしたけれど、全豪での経験はセリーナほどない」と言い切り、さらに「今大会、セリーナやジョルジのようなハードヒッターと試合をしたのが、ナオミと対戦する上でいい準備になったと思う」と新たな自信をのぞかせた。
昨年の東レパンパシフィックでは、プリスコバのサーブに苦しめられた。185センチの長身から繰り出すサーブは角度があり、そのスピードも相まってコースが読みにくい。ファーストサーブの成功率に比例してゲームのキープ率も高く、昨年の対戦で大坂は1ゲームもブレークすることが出来なかった。この日のウィリアムズ戦でもプリスコバのファーストサーブの成功率は80%と、高い数字を記録した。
「彼女はアンフォーストエラーが少ないので、ちょっと危険です」
全米OP優勝後の凱旋試合となった東レパンパシフィックは、スポンサー主催のイベントで忙殺され、メディアの取材攻勢にもあった。大会後、大坂のコーチであるサーシャ・バイン氏は敗因について「ストレスがあった」と明かした。大坂自身、公言しているようにメンタル面の成長が今後の課題となるが、この日、大坂は準決勝へ向けて弱気の顔をのぞかせ、ネガティブな発言を繰り返した。
「(プリスコバとは)何度か対戦したことがあります。彼女との対戦は本当にタフです。彼女のサービスを読むのがやっとなので、私にとってとても難しいです。彼女はアンフォーストエラーが少ないので、ちょっと危険です」
準々決勝後の両者の言動は対照的で、メンタル面ではプリスコバがやや優位か。大坂は準決勝で、どれだけいつもの攻撃的テニスを貫くことが出来るかがカギとなる。今大会の結果次第では、アジア初となる世界ランキング1位の座が見えてくる。注目の準決勝は24日午後に幕が開く。