防戦「一辺倒」にならざるを得なかった理由
ポゼッションが落ち込むのも必然だったようで、「計画的な防戦が試合を通じてうまくいったため、日本があえて攻撃的に打って出て、カウンターを食らうリスクを冒す必要がなかった、というのが支配率が低くなった最大の要因と思われます」と話す五百蔵氏。ただ、「23%」まで低くなったのは、もう1つ原因があると考えている。
「日本の陣内にサウジアラビアを引き込むだけでなく、ボールを取り上げてサウジアラビア陣内に押し込み、時間とエリアを有利に使いつつ、反撃を受ければまた自陣に引き込む戦略に切り替える――といった柔軟で緻密なチームプレーを徹底するほどの練度が、現時点での森保代表にはない。だからこそ『計画された防戦』一辺倒で戦うという選択を、サウジアラビア相手には取らざるを得なかったという側面もあったかと思われます」
こうして数字で表れたポゼッションの低さだが、これだけを切り取って評価はしていないという。上記のように、「相手にとって一番イヤな戦術をやり通す」というのが森保ジャパンの大方針と考えているためだ。24日に行われる準々決勝・ベトナム戦に関しても、
「ボールを取り上げてしまうことが一番の対策だ、と森保監督が判断すれば、日本がボールを持つ戦いを選択すると思われますので、自然に『ボール支配率』は上がると思います。支配率の低さの解消自体をチームの問題解決として特に目指してはおらず、選択する戦術次第で高くもなるし低くもなる、ということになるかと思われます」
との見解だった。
(J-CASTニュース編集部 青木正典)