コンビニがコーナーを作っている「成人向け雑誌」について、大手3社が相次いで販売中止を打ち出したと報じられた。
ネット上では、歓迎の声が相次いでいるが、出版界からは、「打撃は相当ある」などと反発の声が上がっている。
女性や子供、訪日外国人に配慮と報じられる
「トイレ待ちの子供がジロジロ見てたので無くなれば良いとずーっと思ってました」
「男性以外は良いとは思わないですよね」
「女性や子供目線では不快なのでなくなれば、すごく嬉しい」
今回の販売中止が各メディアに報じられると、ニュースのコメント欄などでは、こんな声が多くの支持を集めた。
報道によると、セブン-イレブンとローソンが2019年1月21日、ファミリーマートが翌22日、いずれも8月末までに原則として全店で成人誌の販売を中止すると明かした。
理由としては、女性や子供のほか、20年の東京五輪などを控え、訪日外国人にも配慮したなどとされている。
成人誌については、ミニストップがすでに、18年1月から全店で販売を中止している。千葉市などの行政からは、成人誌の表紙に「目隠し」を求める動きが出ており、こうしたことも販売中止に影響があったとの指摘も出ている。
報道を受けて、「規制規制というのはあまり好きじゃない」「軒並み性描写が消える可能性がある」といった危惧の声も出たが、コンビニ各社の販売中止に理解を示す向きは多い。
「成人雑誌は専門店で買えば」「今はネットとかでも手に入る」「日用品など品揃えを増やせばいい」などと、ネット上で書き込まれている。
性的表現ある雑誌、今後出すことは難しくなる?
コンビニ各社では、雑誌や本の売り上げが減少しており、成人誌も例外ではない。こうしたことから、「どのタイミングで中止にしようか考えていたのかな」「女性や外国人云々はあくまで外向けの理由に感じますね」といった指摘も出ていた。
今回の販売中止について、日本雑誌協会は1月22日、「『成人誌』の基準があいまいで、選別方法が不明瞭であることに危惧を覚える。一部雑誌の取り扱い中止に関しては、慎重な判断を求めたい」とJ-CASTニュースの取材にコメントした。
コンビニでの成人誌取り扱いに関わっている出版社幹部は、性的な表現が載った雑誌が今後出せなくなってくるとして、「業界への打撃は相当あると思う」と取材に明かした。また、「ネットをやらない高齢者や書店の少ない地方の人たちも、とても困るのではないか」とも言う。
コンビニでは、成人向けのマークが付いた雑誌はほとんど扱っておらず、独自の判断で成人向けコーナーを作っているとされており、この幹部は、こう不満を漏らす。
「マーク付きでない雑誌を『成人向け』と言ってほしくない。こうした雑誌を取り扱わないことになると、出版界の自主規制が厳しくなって、表現の自由を侵害することにもつながると思いますね」
(J-CASTニュース編集部 野口博之)