NTTドコモの電子雑誌読み放題サービス「dマガジン」で「検閲」が行われている――? こんな憶測がSNSで拡散されている。配信されている雑誌から、ドコモを批判する記事が削除されていたというのだ。
同社は、J-CASTニュースの取材に「弊社から要請したわけではない」と否定した。さらに雑誌側に取材すると――。
著名人も問題視したが...
一般のツイッターユーザーが2019年1月19日、dマガジンで配信している雑誌『プレジデント』(19年2月4日号)の記事「『携帯料金4割値下げ』にだまされてはいけない」が、「検閲されてページ自体なかったことになっていた」と投稿した。
同記事は、「消費者が誤認する危険性を多く孕むいくつかの施策がある」として、ドコモなど携帯大手3社の料金プランを分析している。
電子紙面の画像も添えており、たしかに該当記事が掲載されたページが抜け落ちている。
投稿は1000以上リツイート(拡散)され、物議を醸した。国際大学GLOCOMの楠正憲客員研究員もツイッターで、
「これホント?プラットフォーマーが中身に踏み込んで自社に都合の悪い記事を消しちゃダメだろう。本屋が雑誌で自社の悪口を書かれたページを破って店頭に並べるようなもんでは?」
と問題提起する。
もともと「5~6割しか読めない」
ドコモ広報部は1月22日、J-CASTニュースの取材に、記事の削除は「弊社から要請したわけではない」と疑惑を否定した。
ドコモによれば、dマガジンでは権利処理などの関係で全誌面が配信されない場合もあり、その判断は各出版社がするという。
それでは、『プレジデント』が忖度したのか。同誌の鈴木勝彦編集長は取材に、「ドコモさんに気を遣ってということは一切ございません」と断言した。
『プレジデント』では、特集を中心に紙で読んでほしい記事はdマガジンに配信していない。そのためdマガジンでは全誌面の5~6割ほどしか読めないという。
「『携帯料金4割値下げ』にだまされてはいけない」も"スペシャル・レポート"と銘打ち、特集扱いとなっている。
(J-CASTニュース編集部 谷本陵)