大学入試センター総務課によると...
定規の使用禁止は確かに明文化されているが、「数学系の試験ではなく、国語での使用」だったことに「かわいそう」といった反応も出ていることについて、J-CASTニュースが21日、大学入試センター総務課に話を聞いた。
「国語での定規使用」の不正認定については、
「解答に利するか、利することがないか、にかかわらず、(使用が)いけないものと明記されているものを使っているので、不正行為とした」
との認識を示した。
では、そもそも定規はなぜ使用禁止になっているのか。数学系試験での不正使用を強く想定している印象もあるが......。こんな疑問に対しては、
「定規などの補助具の使用が、何だかの形で解答に利する可能性があり、以前から使用を禁止している。国語など数学系以外の科目でも、補助具の使用が解答に有利になる問題が作問される可能性もあり、全教科での使用が禁じられている」
との回答だった。
ところで、「定規を使った不正」は、過去にどの程度あったのか。大学入試センターでは、2016年から不正行為の状況を発表している。また同じ16年に「06年~15年」の状況をまとめて公表した。「定規の使用」件数は、「06年~15年」は13件(全体は65件、以下同)、16年は2件(7件)、17年は2件(12件)、18年は0件(4件)だった。発表を始めた16年から18年の計4件の「定規使用の不正」が行われた科目は、いずれも国語ではなかった。少なくとも16年以降に限れば、「国語での定規使用による不正」認定は今回が初となる。