大学入試センター試験の「国語」で定規を使った受験生が不正認定された――こんなニュースが、ちょっとした注目を集めている。
(科目を問わず)試験時間中に定規を使うことは、センター試験の「受験上の注意」で明示的に禁止されている。とはいえ、数学ならともかく国語での不正認定には「かわいそう」という声も出ている。一方で、禁止行為だけに「認定は当然」との指摘も。今回の不正認定は杓子定規に過ぎないか、といった声も挙がっていることについて、独立行政法人「大学入試センター」(東京都目黒区)にJ-CASTニュースが話を聞いた。
「杓子定規さには疑問を抱く」の声も
2019年1月20日に2日間の日程を終えたセンター試験。センター事務局は20日、全国で4件の不正行為が確認された、と報道陣に公表した。4人の受験生全員が「全科目無効」となった。不正内容は「スマートフォンの電卓機能を使う」などで、うち1人は使用が禁止されている定規を当てて国語の問題文を読んだ。
こうした内容を読売新聞(ウェブ版、21日)などが報じると、ツイッターには
「規則読まなかったのが悪いにしても、かわいそう」
「数学はもちろんダメだけど、国語でも不正扱いか」
といった同情論が寄せられた。中には、
「それまで不正になるという杓子定規さには疑問を抱く」
との指摘もあった。一方で、
「ルール違反が罰せられるのは普通でしょ、なにが『かわいそう』だよ」
などと、「かわいそう」論への違和感や反発を示す人もいた。
今回の事例で、受験生の目的ははっきりしないが、「定規をあてて文章を読む」行為自体は、さまざまな読書術の本や記事で推奨されることもある方法だ。定規に限らず、「しおり」など一定程度の直線部分がある道具を使う人もいるようで、読みたい「行」に意識を集中しやすくなるなどのメリットが指摘されている。
一方で、センター試験の「受験上の注意」や「受験案内」(いずれも、ネット上でも公開)をみると、「試験時間中に、次のものを使用してはいけません」の項目には、
「定規(定規の機能を備えた鉛筆等を含む)、コンパス、電卓......(以下略)」
と明記されており、定規はその筆頭に挙げられている。さらに、こうした補助具などを手に持っていたりすると「不正行為となることがあります」と、警告もしている。