「訪日客増」に胸張る安倍政権だが... 実は雲行きが怪しい「もう一つの目標」

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欧米豪の訪日客増が今後のカギ?

   ところが、政府は4000万人、8兆円の目標を今から下ろす考えはないようだ。観光庁が発表した各国・地域別の訪日外国人1人当たりの消費額では、オーストラリアの24万円を筆頭に、スペイン23万円、イタリア22万円、英国21万円、フランス21万円など欧米豪には20万円を上回る国があるからだ。いずれも長期滞在の旅行者が多く、1人当たりの消費額を押し上げているという。つまり、欧米豪からの訪日客を増やせば消費額も上がるわけで、政府は海外へのプロモーションを強化している。

   各国・地域別の訪日客で838万人と最も多い中国も1人当たり22万円を消費しており、「爆買い」が沈静化したといっても購買力の高さをうかがわせる。対照的に訪日客数が753万人と2番目の韓国は1人当たり7万円の消費にとどまる。韓国は平均宿泊数が4.3泊と中国の9.7泊に比べて短期滞在のため、消費額も少ないようだ。このほかアジア近隣諸国・地域では台湾が12万円(6.8泊)、香港15万円(6.3泊)となっている。

   格安航空会社(LCC)の誘致などで訪日外国人旅行者を増やし、日本国内で消費してもらう安倍政権の「観光立国」戦略は、順調に推移し、「アベノミクス最大の成功」とも評されてきた。それだけに、あと2年で所期の目標を達成できるか、今後の行方が注目される。

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