JR東日本が2019年1月16日、モバイルSuicaの一部サービスを変更、および終了すると発表した。
発表内容は、年会費の無料化と、一部機種でのサービスの終了、そして「モバイルSuica特急券」の終了。いずれも来春から行われる予定だが、これらによって、いったい何が変わるのか。あらためて確認してみよう。
ポイント付与率はなおも高めだけど
モバイルSuicaは06年スタート。当時はスマートフォンが普及しておらず、今で言う「ガラケー」が一般的だった。その後、Androidスマホにも対応し、16年にはiPhoneなどのApple PayでもSuicaが使えるようになっている。
利用者にとって一番メリットがあるのは、やはり年会費の無料化だ。これまでモバイルSuicaを使うには、多くの場合で年会費が1030円(税込)かかっていた。現状でも、JR東日本のクレジットカード「ビューカード」を登録すると年会費は不要だが、20年2月26日以降はクレジットカードを問わずに無料となる。Apple Payでは導入時から、カードを問わず年会費が不要になっていて、今回Androidスマホなどもそれに準じた形だ。
この発表を受けて、ツイッターでは、「今年からできないの?」といった意見もあるが、
「VIEWカード以外でも年会費無料ならいよいよ登録しようかな」
「これで大半の人がクレジットカードでSuicaにお得にチャージできるようになるんじゃないかなあ」
「モバイルSuica、iPhoneだけ何のカードでも年会費無料ずるい!と思ってたけど、ようやくAndroidでも無料になるのか」
など、歓迎する声の方が多いようだ。
どのクレカでも年会費が無料となると、ビューカードを使い続けるかどうか悩む人も出てきそうだ。ただ、ビューカードからSuicaにチャージした場合のポイント付与率は1.5%(19年1月時点)と、一般的な還元率よりも高め。この水準が今後も維持されるなら、紐づけ続けるメリットもありそうだ。
ガラケーや旧型スマホが一挙サービス終了へ
反対に影響を受ける人が多そうなのが、一部機種でのサービス終了だ。フィーチャーフォン(いわゆるガラケー)と、一部のAndroidスマホでは20年2月25日、もしくは同年12月22日(機種によって異なる)をもって、「ログインを伴うサービス」が終了する。電子マネーによる鉄道利用や買い物、店頭などでの現金チャージは引き続き可能だが、クレジットカードによる入金やオートチャージ、定期券の購入など、ほとんどのサービスはログインが必要なため、利用できなくなる。
ただ多くのガラケーでは、16年8月にセキュリティ面を理由に、すでにサービスを終了していて、今回対象となるのは約90機種(以下、発表資料参照)にとどまる。一方で、Androidで対象となるのは、NTTドコモが97機種、au(KDDI)が62機種、ソフトバンクが42機種、ワイモバイルが6機種、格安SIM・SIMフリー端末が7機種。資料に記載がなくても、AndroidのOSが4.4以下だと、21年3月以降(予定)、サービスを利用できなくなるという。
あわせて、新サービスの導入に合わせて、「モバイルSuica特急券」を終了するとも発表された。JR東日本と西日本、北海道の3社は18年6月、インターネットで新幹線を予約し、登録した交通系ICカードを自動改札機にタッチするだけで乗車できるサービスを19年度末メドに導入すると発表している。
年会費無料化もサービス終了も、それぞれ1年以上先の話だが、自分が影響を受けないか、今のうちに確認しておく方がよさそうだ。